共同通信杯(GⅢ)
早いもので2023年ももう2月2週目。今週の東京メインはクラシックの登竜門として数多の名馬を輩出してきた共同通信杯(GⅢ)。例年通り骨のあるメンバーが集まった。
ここを3着以内に好走した素質馬達は過去10年で皐月賞を5勝(2着1回)、ダービーを2勝(2着4回)と凄まじい成績。
では、注目の一戦の追い切りと考察を始めよう。
調教&評価
①ダノンザタイガー
w c 500からある馬体がやや馬体さみしく映る。今後を見据え8分か。
- 新馬は取りこぼしたものの、折り返しの未勝利で某有名YouTuberの呪いを跳ね除けて快勝。続く東スポ杯で2着に入り賞金加算に成功した。
- 確かに安定感はあるが、まだ本当に強いところをみせていないのもまた事実。現時点は騎手と厩舎のブランド力に人気が吸われているように思えるのでここで新たなギアを見せられるかが焦点。
②コレペティトール
坂 c キッチリ追っているがさほど味がない。
- 馬柱がキレイなので穴人気しそうだが正直光るものはまだ感じない。
③キョウエイブリッサ
w c スピードタイプで抑えもそれ程利かないタイプ。
- 朝日杯は出負けからややチグハグな内容も内目の枠が幸いしてなんとかギリ我慢し、最後差を詰めての4着。
- 能力は示しているが1200~1400mが将来的な主戦場となることはほぼ確定。
④シーズンリッチ
w c 手も動かさないイルーシヴパンサーに必死に抵抗し併入。
- 前走はスタートでゴチャ付き後方からで酌量の余地はあるが、2着馬からの0.6は離され過ぎ。
- そもそもキングズレインより人気だったように血統で過剰評価されている。
⑤タッチウッド
cw B 長めから馬なり。体の柔軟性が高く大きな完歩で雄大な動きで只者ではない気配漂う。馬体重があるので重苦しく見える人もいるだろう。
- まだデビュー戦しか経験していないが、その中から勝ち馬が出るのが共同通信杯の妙。
- 内の悪い稍重11/20の阪神での2000mデビュー戦。
最初のコーナーへの誘い方はさすがムーアと言えるが、最後までインビタの逃げ切りは途中から舐めプに移行している。スローで流れたとはいえ、あの馬場をインビタでラスト11.8-11.0-11.2と逃げ馬に加速して行かれては2番手以下はなす術も無くて当然と言える内容。 - 関東への遠征や良馬場適性への不安よりも期待の方が遥かに大きい。
- 馬名の由来は「木を叩くおまじない」=木魚?
⑥タスティエーラ
w c+ 長めから良好なラップを刻み、最後は11.3。十分な素質感じる。
SNSを見ているとこの馬はかなり評価が高い。デビュー戦のあっさり抜け出し3馬身半差快勝がその要因だろうということで当日の馬場考察を見てみた。
- 直線は馬場の中程に進路を取れる馬。
- 前がビタ止まるというわけではないので「外差し」と決めつけるのは少し早計。そこまでの馬場悪化はまだ無い。
- JCはヴェラアズール軸
Cコース替わり2週目で2番手から抜け出して上がり33.5で2着に3馬身半。そして上がり最速(33.4)の2着馬は次走で3馬身差の勝ち上がり。2歳時の東京1800mでラスト4F46.0以内で2着に着差付けた馬は云々…。
未だ勝ち上がっていない3~5着馬の能力は未知数だが彼らも上がり33秒台。そしてこのレースではムーアは最後までそこそこガチで追っている中での勝ち時計1:47.2がしょっぱい。
- 前日の2歳未勝利が1:47.4(同距離1800m)
- 同日の古馬3勝クラス(2000m)で1:57.8。
- しかも当時はムーアターボ搭載。
この馬が共同通信杯で人気の一角になるとは到底思えなかったが、体のつくりもシャープで額の♡もチャーミング、前走完勝にキャロットブランド+福永とファン受けする要素がてんこ盛りだった。なるほど。
⑦シルバースペード
w c 伸びのある大きなフォーム。好調維持。
- 力不足を拭えるかと言われると。。
⑧ファントムシーフ
映像無し -
ホープフルS(GI)の追い切り時にこう記した。
ファントムシーフ CW B 足捌きが独特。ひょっとすると大器かも。
追い切り評価は常に辛めなので、A~Bを付けた馬は事故らない限り馬券内に入る。
当時は最低とも言える①番枠を引き当てた上にやや出負け。さらに圧倒的前残りという展開に泣かされたが、それでもクラシック有力候補の3着キングズレインとクビ差の4着で、勝ち馬とも0.2差なら悲観する内容でもない。
- デビュー戦は春天の日から1か月ちょいの休息を与えられた阪神1600mで大外⑫から楽勝。当時の馬場を直線だけ貼るがほぼパンパンの良馬場。
- 2戦目の野路菊Sは全く舞台の違う中京2000m。好位を進んで2着に2馬身、3着以下にはさらに6馬身と決定的な差を付けた。ジワジワと加速していくので中山よりは東京の方がいいタイプに見える。
⑨レイベリング
w c 長めから追うがややフワフワした走り。8~9分前。
- 賞金を重ねなければいけない立場の割にそれほどバチバチやらないのは素質を信頼しての事。ここはダノンザタイガーと共通する部分ではあるが、概ねそういうところに隙が生まれる。
- 驚異的な相馬眼を持つビッグレッドファームが海外で高値で競り落とした「牡馬」なのだから、将来的な種牡馬候補クラスの素質を持つことは想像に難くない。
- 圧巻の新馬戦→GIで不利枠からの小差3着というデビューからの2戦であっさりそれを証明し、今回はホームである関東(東京)。評判馬が揃う一戦とはいえ、おそらくこの馬が1番人気に支持されるのではないかと考える。
⑩シュタールヴィント
坂 c(+) ガツガツ追わずにこの時計なら好調は保証。
- 京都2歳S(GⅡ)は出は今一つもスッと先行集団に付ける器用を見せ最後まで奮闘。それ自体は悪くないがレースレベルに大きな疑問符。
- 勝利した東京未勝利も平凡な内容。
- ここよりもニュージーランドTなどが適鞍と想像。
⑪ウインオーディン
w d 休み明けでまだ重苦しい
- 新潟2歳S(GⅢ)で敗れたキタウイングは既に重賞2勝。
- 主戦の皇成がGI入着馬を取った時点で仕上がり具合もお察し。
⑫ロードプレイヤー
w c 及第点の時計は出るが平凡の域は出ない。
- 一線級と互角にやるにはややパンチ不足か。
上位評価
B タッチウッド 期待に応えて見せてくれ
c+ タスティエーラ 実績上位が万全でないのでc+を献上するほかない。しかも泥田の可能性を含む中でのサトノクラウン産駒で無視を決め込めなくなった。
能力と適性が足りないがシュタールヴィントも動きは悪くなかった。前残りなら。
※大問題なのはファントムシーフの映像がないこと。
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