【重賞展望】第58回デイリー杯クイーンカップ(GⅢ)追い切りと考察

重賞展望

デイリー杯クイーンカップ(GⅢ)

1986年に圧倒的1番人気のメジロラモーヌが4着に敗れるような強烈な波乱は昨今ではせいぜい2015年の個人的な爆裂期待馬だったミッキークイーン2着程度しか起きておらず、過去9年では全て3番人気以内の馬が勝利を収めているようにまだ若い3歳牝馬限定レースにしては堅めの傾向。

昨年2着のスターズオンアースや一昨年の勝ち馬アカイトリノムスメ、さらにはクロノジェネシス、アエロリット、メジャーエンブレム、ミッキークイーンといった男子顔負けの強い乙女たちがここをステップにスターダムへと駆け上がっていった。当然今年も要注目だ。

それでは追い切り内容を踏まえて考察をしていこう。

追い切りと考察

①オンザブロッサム

w c 及第点の動き、手応えも併走馬に勝る。

  • 新馬でダノンザタイガーを撃墜して単勝万券演出。一発はある娘。
  • 先行力は武器だが今回は少しペースも流れそうで展開利は無い。
  • 3週目の東京マイル最内はやや不利目。
②メイドイットマム

映像無し -

  • 地方の2歳女王。
  • 馬場渋れば一発あるクチだが何とも言えない。
③モリアーナ

w c+ 雅が乗って馬なり。馬体大きく見せ好時計フィニッシュ。

  • 馬名の由来は森アナではなく「スラブの伝承に登場する風の女神」
    その女神は武藤親子によるGI制覇の期待を背負い阪神JFに挑んだが、痛恨の調整ミスで馬群に沈んだ。
  • この馬もまた仕切り直しの一戦となるが、ドゥアイズを完封したコスモス賞の内容が秀逸であることは認めなければならず、当日の気配は必ず確認したい。
  • 追い切りの感じから明らかに阪神JFの時とデキが違う。
④リックスター

映像無し -

  • 新馬はドスローから瞬発力勝負。2番手から33.8。勝ちタイム平凡。
  • フェアリーSは道中少し立ち上がる不利。なければ4着あったかも。
  • 現状何度見てもフェアリーSは低レベル評価が覆らない。
⑤ウヴァロヴァイト

w c ガッチリ抑えて折り合い専念。時計平凡。

  • 超低レベルの赤松賞すら勝てないのにここで?
⑥イングランドアイズ

cw c 長めから最後軽く仕掛けて1馬身先着。上々の仕上がり。

  • 調教がどうというよりハーパーを差し切っている以上、無視は不可能。
⑦ドゥアイズ

坂 - 楽走。評価出来ず。

阪神JFの回顧記事から抜粋

3着 ⑬ドゥアイズ

前々走:コスモス賞2着

内目をピッタリ4番手の優等生競馬。4角でモリアーナに並びかけるが簡単に突き放されたのは寒い。

前走:札幌2歳S2着

ドゥーラの一つ外の悪枠⑬。1コーナーでは勝ち馬に弾かれる軽い不利。仲良く5~6番手を追走したが先に仕掛けた分だけ勝ち馬に屈した。

2頭共にこのメンバーに入ると完成度に違いがあったと言える内容で、おそらく何度やってもこの1~2着が入れ替わるだけのレースだったと思われる。

正直レースレベルには疑問符が付くが、上位2頭があれから3か月でさらなる成長を遂げていれば通用しても不思議はない。

僅かに立ち遅れたが即座にインに切れ込む。道中はやや後方の位置取りも、前が流れた事がこの馬に幸いした。直線はインに進路を取るも詰まって中まで持ち出す痛恨のロス。鋭く伸びて3着は⑬番枠の10番人気なら健闘と言えるものではあるが2着はあった内容。

自在な脚質で重賞を賑わせるセンスは相当のものがあり、来春も当然要注目。

なお、1~3着馬は全て2代前にキングカメハメハを内包していた。

自在性が武器の馬で信頼性は高い。また、重賞で好勝負した馬すら他にいないこのメンバーでは抜きん出た実績を誇る。

但し、新馬・未勝利勝ち直後の各馬の能力は未知数であり、その中にGI級が紛れ込んでいれば敗戦も頭に入れておく必要がある。人気が集中する事は想像に難くないが、彼女はリバティアイランドでは無いのだ。

⑧ニシノカシミヤ

w c+ 終始馬なりで併走より手応え遥かに勝る。

  • 血統的にもダート馬。戦歴は4戦全てダートで誰も気にかけない超盲点。
  • ストライドを見ても重苦しくなく芝でも全然やれる。
  • 3週目Dコースの1600m⑧番は、ほぼ有利不利ないこのコースとはいえ問答無用の最強枠。
  • 前日の雪で水気を含む馬場になればなお良し。
  • 人気も薄く、もはや買わない理由がどこにもない。
  • 猛蔵くん。重賞初制覇を大波乱で飾ってください。
⑨ハーパー

坂 c 一週前にドウデュースの胸を借りており、今週は流しただけ。
まっすぐ走らず時計も平凡。

この願いは3番仔ヴァレーデラルナによって成された。姉に先を越されたとはいえ、妹もそのセレスタの仔である以上はGI級の資質を秘める可能性は十分ある。

新馬は微負け。折り返しの阪神1600mはメンバーレベルがさほど高くなかったとはいえ、15頭立てのゴミ枠⑭番枠からサラッと先行して完勝なら悪くはない。この馬もいずれは大きな舞台を踏むことになるだろう。

クイーンカップは重賞好走馬も数多く、新馬で彼女を負かした馬も出走を予定しているのでおそらくそれほど人気にはならない。
素質の開花が何時になるかは正直分からないので現時点では将来性も加味した評価であることはご了承いただきたいが、狙う価値は十分にある。

⑩グランベルナデッド

w c ラストは伸びよく、おそらく素直で乗りやすい馬。

  • 未勝利はエリダヌスが走らな過ぎて圧倒的弱体メンバーでの3馬身勝ち。
  • 多分鈍足。
⑪ミカッテヨンデイイ

w c 単走でもしっかり仕上げた。ただ、遅い。

  • 既にアイドル化しているウメムスビを葬ったフェニックス賞はなかなかのもの。
  • 関東馬なのに5戦目にして初の関東圏での競馬。これは+。
  • 親戚の子をミカと呼んでます。みかんは大好物です。
⑫ゴールドレコーダー

w d 小柄な馬でひぃこら走ってる感。時計も平凡。

  • 開幕2週目の小倉1800m稍重を絶好の③番枠から先行しての勝利。さすがに高い評価は与えられない
⑬アスパルディーコ

美浦坂 c 折り合い専念併入。

  • 一昨年の勝ち馬アカイトリノムスメの妹。姉妹制覇狙う。
  • 父はブラックタイドに変わるが血統構成は全く同じ。
  • 未勝利勝ちはコース替わりの絶好枠で前半ややかかる。レース内容は何もかも平凡。
  • 血統で人気吸えるだけ吸って欲しい。
⑭ブラウンウェーブ

w d ラスト追うもやや伸び欠く。

  • 新馬新潟1400mのは上々。福島の2戦目は参考外。
  • フェアリーS(GⅢ)は前半少しリズムが狂う。最後ナナメに走りながらも良く追い込んだ。
  • しかし、このレースは後方に展開利。
  • 折り合いに多少の難があり、東京だと1F長いか。
⑮ウンブライル

w c 国枝さんのいつもの三頭併せ。ぼちぼち動いているので状態は悪くない。

  • 勝ったもみじSは低レベル、さらに不利枠も重なった阪神JFは完全に過剰人気。
    しかし外枠に加え出遅れでは戦えないのもまた事実で今回が仕切り直しの一戦となる。
    とはいえ同じように外枠を引いたドゥアイズとは勝負付けが済んだので、他がどれだけ弱くても2着までだろう。
  • ブランド力で人気を吸った場合は馬柱を黒く塗りつぶす。
⑯ミシシッピテソーロ

w c 3頭併せでラストまでしっかり追う。基礎スピードは高い。

  • 速い馬だが近3走の1600mで馬券になれない。特にアルテミスS(GⅢ)はかなりの好調教でもダメだったので、本質的に1200~1400mの方が向くのだろう。
  • 紛らわしいがサンティーテソーロとは区別しよう。あちらはスタートダッシュが上手い逃げ馬だ。JFの回顧記事には

5着 ⑩ミシシッピテソーロ

前走:アルテミスS9着

稽古も動いていたが上位との力差は歴然。苦しい。

正直この馬の掲示板は意外。追切り動いた前走で完敗した関東馬が今回は‐14㎏では勝負にすらならないと考えていたが、1番人気の勝ち馬の真後ろに付け、同じタイミングで仕掛けて0.7秒差(上がりは0.4秒差)は16番人気の評価にそぐわない。

もちろん今回のは好騎乗。ただ、先に仕掛けて川田に横から蓋をするくらいの度胸があれば原くんも一枚剥けるんじゃないかと思う。

…だそうなのでこれもドゥアイズを負かすには至らないという評価。原くんには頑張って欲しいところ。

上位評価

c+ モリアーナ 年末とは別馬。

c+ ニシノカシミヤ 猛蔵。やれ。

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ぽぽん

【競馬歴】ミホシンザンが春天を制した日に父に東京競馬場に連れて行かれてから36年。初恋はダイナアクトレス。
【卒論】ヘイルトゥリーズン系の今後
【職歴】大学卒業後大手飲料メーカーに就職も博打の方が数倍割がいいので退職。4号機時代を全力で堪能したあとは体力の限界で引退。心を入れ替えて会社員に戻るも超つまんないので2022年に起業。
【お住まい】千葉県の農地

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