阪神競馬場の馬場状態
秋の阪神3週目(6~7日目)のメインは牡馬クラシック最後の一冠である第83回菊花賞(G1)
春の二冠を沸かせた牡馬五芒星は1頭が凱旋門賞、3頭が翌週の秋天に回ったため、ここへの参戦はアスクビクターモアのみ。春の実績馬vs夏の上がり馬という恒例の図式が出来上がっているが、枠順と馬場を今年味方に付けるのはどの馬だろうか?
馬場の変遷
今開催から阪神は年末まで延べ13週26日間続く。そして使用コースは最初の15日間がAコース、後半の11日間がBコース(Aコースから直線部3メートル、曲線部4メートル外側に内柵を設置)
ということは恐らく11月のエリザベス女王杯やマイルチャンピオンシップの週は悪魔的な外差し馬場になっていることだろう。特にエリザベス女王杯の2200mで内枠を引いた場合は爆絶騎乗+展開の助けが必要となる。
内回り3コーナー
Aコース
外回り4コーナー
Aコース
直線
Aコース
①第3回阪神競馬前にAコース部約6,200平方メートル、第3回阪神競馬終了後にはBコース部を中心に約14,900平方メートルの芝張替を実施しました。その後ベースとなる野芝の生育促進に努め、9月上旬に洋芝(イタリアンライグラス)を播種しました。野芝・洋芝とも生育は順調で、全体的に良好な状態です。
②内回り3コーナー・4コーナーから正面直線にかけてコース内側に軽微な傷みがありますが、全体的には良好な状態です。
③内回り3コーナー・4コーナーから正面直線にかけてコース内側に軽微な傷みがありますが、全体的には良好な状態です。
※JRAの発表内容→①が開幕週②は2週目の発表。
金曜時点でクッション値9.6という鉄板の硬さで週末を迎える阪神。微妙に予報がアテにならないところだが少々雨が降っても高速馬場である事に疑いの余地は無く、軽いスピードタイプを軸に馬券戦略を立てるのが筋道。
阪神競馬場:コース図
引用:JRA
昭和の時代は「オムスビ型の競馬場」として親しまれていた阪神競馬場だが、平成に入って装いを一新。「従来の3、4コーナーの外側に、外回りコースを新設」という大規模な改修をへて、日本屈指のスケールを誇る競馬場に生まれ変わった。内回りコースの1周距離は1689メートル(芝コースの距離についてはAコースの数値を用いる)と標準的なサイズながら、新設された外回りコースの1周距離は実に2089メートル。右回りの競馬場の中では日本最長で、東京競馬場(2083.1メートル)をも上回る。
そんな外回りコースの特徴はバックストレッチが非常に長く、3、4コーナーのカーブもゆったりしていること。内回りコースと分岐した後もしばらくまっすぐ走り、広々とした3、4コーナーを回って直線に向く。ちなみに内回りの芝1200メートルと外回りの芝1600メートルは発走地点が同じ、また、2コーナー付近に発走地点が設けられている東京の芝1600メートルに対し、阪神の芝1600メートルは向正面半ばからスタートを切る。これらを重ね合わせれば、バックストレッチの長さと3、4コーナーの大きさをイメージしていただけるはずだ。
さらに外回りコースの直線は473.6メートルと右回り最長(新潟、東京に次いで全場3位)。ゴール前には急坂も設けられている。サイズは標準的で決して小さいわけではない内回りコース(直線の長さは356.5メートル)だが、外回りはより“紛れ”が生じにくい、馬の実力がストレートに反映されるコースといえるだろう。
ただし幅員はそれほど広くなく、コースの設定はA、Bのみ。4つのコース(A、B、C、D)を使い分けられる京都に比べると、馬場の傷みは進行しやすい。梅雨と重なる6月の開催は特に、タフなコンディションになりやすいことは頭に入れておこう。
コースの起伏に目を向けると、内回りコースでは残り800メートル地点から、外回りコースでは残り600メートル地点から、直線の半ばにかけて緩やかな下り勾配が続き、ゴール前の急坂につながるレイアウト。この上り坂は高低差こそ1.8メートルながら、勾配は1.5%となかなかキツい。
一方のダートコースは残り900メートル地点から直線にかけて緩やかに下り、残り200メートル地点に高低差1.6メートルの上り坂が待ち受ける起伏構成。1周距離は1517.6メートル、直線の長さは352.7メートルで、芝の内回りと同様、こちらも標準サイズといえる。とはいえゴール前に坂が設けられている阪神と平坦な京都では、パフォーマンスに差が出る馬もいるので注意が必要だ。
コースは右回り、ダートは1400メートル戦と2000メートル戦が芝スタート。また、障害戦はタスキコースを含む専用コースで争われる。
文:石田敏徳(2019年9月時点)
今週の有利枠・不利枠
芝1200m 外枠不利・逃げ馬有利
最初のコーナーまで約243mしかなく、まだ2週目。内枠からすんなり逃げられたら後続は厳しい戦いを強いられる。先週のトウシンマカオは別格だっただけ。
芝1400m フラット
芝1200mのスタートから200m伸びただけだがコーナーの入りまで243mと443mでは天と地ほども違う。差しも効くがある程度の位置は欲しい。
芝1600m 外枠OUT
開幕序盤はその傾向に拍車がかかる。多頭数の外枠から来る馬は素直に能力を認めて良い。
芝1800m(外回り) フラット
最初のコーナーまで600m超なら枠順はどこでもいい。脚質云々より「本質的な強さ」が問われるので堅いと思しき馬が出て来たら全ツ。
芝2000m フラット
コーナーワークの巧さが重要と見ているコースで少し力が劣る穴馬も立ち回り一つで好配当を演出する。大阪杯のビデオを舐めるように見るとよくわかる。
芝2200m よりフラット
2000mより200m後方からのスタートで最初のコーナーまで約525m。強い馬は容赦なく強さを見せつける良コース。
芝2400m 僅かに内枠有利。逃げ馬はドスロー想定なら僅かにおさえる程度に
京都大賞典の結果を見てもわかる通り、いきなり急坂から始まるエグいコースだけにここで飛ばさざるを得ない逃げ馬は当然成績も悪い。のんびり中団に付けるくらいが丁度いい。
芝3000m(内回り) 外枠不利のはずだが…
外回りの桜花賞より最初のコーナーへの入りが早いといえばわかり易いだろうか?理論的には明らかに外枠は不利になる。但し3000mという距離の特性上テレビ馬でない限りは出鼻からビコビコ押していくようなことはせず、ほぼ100%縦長の展開になるため行きたい馬は外からでも比較的すんなり先手を取れるし、後方待機勢もそれほど苦も無く追走出来る。
つまりそれは
①根本的に強い馬
②長距離での折り合いに不安が無い馬
に優位性のある条件であることを示す。
なお、京都でも阪神でも過去の菊花賞を振り返れば勝つのは①、穴を演出するのは②と相場が決まっており、枠順の優劣以上にまずはそこに焦点を当てて予想を組み立てるのが良いと考える。
ダート1400m 断然外枠
芝スタートのダートは競馬場を問わず恒常的に断然外枠有利。これは抗いようがない事実。
結論
- 菊は強い馬が勝つ。穴は折り合える馬
- 高速馬場
- 基本的には前が止まらない
- 多頭数1600mの外枠は即消し
- 堅いのがいると感じたら1800m
- 2400mの逃げ馬は即消し
今週のおすすめ
土曜
未定
日曜
2R ②マイネルメモリー 新馬戦の選び方を間違えた悲運の馬
10R ④コスタボニータ 成長の余地残すが素質上位
11R ⑭アスクビクターモア 五芒星の一角で能力頭一つ以上抜ける。一叩きして上昇。相手には調教絶好⑯フェーングロッテンが大本線で地獄の外枠決着に願いを託す。そしてやはり馬体に惚れたPOG馬⑱セレシオンは買わざるを得ないだろう。
皐月賞・ダービー共に7枠1着8枠2着だったが菊もそうなって欲しいところ。
他場
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