11/21㈰、阪神競馬場で行われた第38回マイルチャンピオンシップ(G1)は単勝1.7倍の圧倒的1番人気に支持されたグランアレグリア(牝5、美浦・藤沢和雄厩舎)が1:32.6秒(良)で昨年に続く連覇。6つ目となるG1勝利で引退レースを飾った。
2着には次世代の王者候補と目される2番人気シュネルマイスター、際どい3着争いは昨年の2歳王者ダノンザキッドが元マイル統一王者インディチャンプをハナ差制した。
第38回マイルチャンピオンシップ(G1)
注目された馬場状態
「上がりがかかる外差し馬場」と先週の結果からも想定されていたように、前日に芝で行われたレースも軒並み外目の後方勢が好走し、上がり3Fの最速は3R1200m(内回り)の未勝利戦2着馬ピースキーパーの33.7秒、次位が勝ち馬プレヴォールの33.9秒。メインのアンドロメダSで最後方から追い込んだプレシャスブルーこそ34.2秒だが、その他のレースではせいぜいが34秒台後半だった。
7週13日目となるAコースなら外々を回る差し馬有利の馬場であることに疑いの余地は無い、上がりもそれなりにかかるのも当然だ。
ところが
マイルチャンピオンシップ当日の1600m戦4Rメイクデビュー阪神で気になる事が起きた。
勝ち馬アストロフィライト、2着コスタボニータ共に道中は定石通り外目を通ったが、直線に向くと内回り合流地点を過ぎたところから一気に誰も通らない内に進路を求め、バリバリにキレた脚を使っているではないか。
アストロが33.6,コスタが33.4。パドック派なら2頭が素質上位なのはその時点で概ね予測は付いていただろうが、完全に能力が勝っていれば「道中イン空け→直線イン突き」が通用する馬場だったのだ。考えてみればエリザベス女王杯でもクラヴェルがそれに近い事をやっている。
望んでインに向かう事は無くとも、進路が取れる公算が高ければ能力を信じての合流地点過ぎてのイン特攻も可。そして圧倒的なキレを持っていればそこそこ何とかなる馬場。ここで逃げた横山武史もそれを念頭にレースプランを練り直したかも知れない。
また、クッション値を見直すとエリザベス女王杯当日とマイルチャンピオンシップ前日が9.8→当日は10.2と少し硬さが増し、前日散々だったディープインパクト産駒の躍動を若干ながら後押ししていたようだ。
ここで11/21㈰の阪神芝コースの勝ち馬を挙げてみよう。
- 3Rディープ産駒
- 4Rディープ産駒
- 5Rハーツクライ産駒(ディープ不在)
- 9Rリオンディーズ産駒(ディープ不在)
- 10Rディープ産駒
マイルチャンピオンシップ前に出走した芝3鞍全てでディープインパクト産駒は勝利を収めており、それぞれの上がりは35.2→33.6→32.8。
どういう訳か一夜にしてこの状態となった馬場で、世界一キレるグランアレグリアは好枠⑫番で引退レースを迎える事となる。
女心は秋の空とはよく聞くが、馬場も藤沢師とグランアレグリアの花道を飾るために心が移ろいだのだろうか。
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