第71回安田記念(G1)は馬群の中団を進んだ8番人気のダノンキングリー(牡5、美浦・萩原清厩舎)が、直線は大外から鋭く末脚を伸ばし優勝。昨年の中山記念以来久々の勝利が嬉しいG1初制覇となった。勝ちタイムは1:31.7。
連覇を狙った1番人気グランアレグリアは2着。そして3着には3歳馬シュネルマイスターが入った。
戦前評価
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パドック
①サリオスはまたしても牛オス。-2とはいえ大阪杯より少しマシ程度で、チグハグだった調教からも不安は拭えない。既に前日に買ってしまっており、もう今更である。なんとか来てくれ。
⑤グランアレグリアは元々パドックでスカッと見せないタイプ。中2週ということもあり追切も軽かったので少し緩い。
ただ、新馬戦でダノンファンタジーが明らかに上と誤評価してしまった経緯があるのでこの馬はパドックで評価を上げ下げするのは危険。
所詮は絶対能力が違うからどうせ来るだろうという見立て。
⑦ラウダシオンはイレコミ過ぎ。目の上のたんこぶが消えた。
⑧インディチャンプはピッチ走法で重巧者なので直前の雨はプラスに作用すると考えていた。仕上がり自体は前走時を維持しているが、スプリント3戦の後で体がややそちらよりに推移しているのが少し気になる。
⑪追切を見てもまだ良化途上と見ていたダノンキングリーが実際はガッツリ仕上がっていたのには正直驚いた。この1年は順調度も欠いていたし、たった数日で何が変わる?と思っていた。昨年は◎を打っていたので、あの凡走はトラウマになっており、もしや早熟だったのかという考えも過った。
このデキで買わないならパドックを見ている意味はない。ただし全幅の信頼はさすがに置けなかったのでほんのり抑える程度。
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続いて⑫ケイデンスコールも良かった。正直力は足りないと踏んでいたが追切も上々の動きを見せて好仕上がり。
上位3番人気までが心許なく映ったので少しはチャンスがあると考えを改め、これもほんのり抑える。
⑬シュネルマイスターは渾身のデキ。週中の記事でも書いたようにあとは古馬との力関係だけ。通用すればほぼグランアレグリアとの一騎打ち。
これがパドックからの結論。
人気馬より3歳や中穴系の方がよく見えるけど古馬はパドックの重要度クソ低いから気にしない事にしよう。
— ぽぽん (@popon10d) June 6, 2021
重要だった(´・ω・`)
レース展開
行くと見られたトーラスジェミニも戸崎なので大逃げはない。モタモタしてる間に内からダイワキャグニーがハナ。先行勢は大方の想定通りでその直後にインディチャンプ、シュネルマイスターが付ける。それらをマークする形でダノンキングリーとサリオス。意外にも人気の中心グランアレグリアは想定よりかなり後方だ。
前半600mは34.9とマイルG1にしては遅く、インディチャンプがやや口を割って掛かり気味だったところは最近のスプリントローテと無関係ではないだろう。
直線
①まずグランアレグリアに黄信号が灯る。
②インディチャンプが仕掛けを待ちに待って直線半ばで先頭に躍り出る。
③外からシュネルマイスター、さらに外からダノンキングリーの伸び脚が良い。
④グランアレグリアも前が開いた瞬間に猛追。
⑤インディチャンプが3頭に差されたところでゴール。
川田とダノンキングリー
川田にとって本当に会心の騎乗だったのだろう。スタンドに向かって何度も礼をし、ファンへ感謝の意を示す中、隠し切れないドヤ顔がとても眩しかった。
テン乗りで100点満点の回答を出すのは流石としか言いようがない。
そしてダノンキングリーは見事なG1初制覇。
昨春に中山記念を勝った時にはアンカツさんに「この春にもG1を取る」と言わしめた大器が一年遅れで大輪を咲かせた。
この一年間で何があったのかを知る由もないが、今回の勝利でダノンキングリーが再び一線級に戻って来たことは紛れもない事実。
強い馬が廃れずに復活を遂げたのは喜ばしい事で、ダノンキングリー復活へ向けて尽力した陣営には拍手を送りたい。
まとめ
同世代の世界レベル牝馬であるクロノジェネシスやグランアレグリア、ラヴズオンリーユー等に比べてパッとしないと蔑まれてきた現5歳世代の牡馬もこれで春天のワールドプレミアに続く古馬G1制覇。
もちろん今後のマイル~中距離路線はダノンキングリーが同世代を牽引していく事になるだろう。
安田→秋天→マイルCSと3タテするようなダイワメジャーばりの活躍を期待したい。
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