【重賞レース回顧】第167回天皇賞・春(GI)ジャスティンパレス

重賞レース回顧

2023年4月30日㈰に京都競馬場で行われた第167回天皇賞・春(GI)は、Ⅽ.ルメール騎手騎乗の2番人気ジャスティンパレスが優勝。前走の阪神大賞典(GⅡ)に続く連勝でGI初制覇を飾った。
圧倒的1番人気に支持された昨年の覇者タイトルホルダーは競走中に疾病(右前肢跛行)を発症。
競走を中止した。

天皇賞・春(GI)

各馬短評

1着 ①ジャスティンパレス
  • 阪神大賞典の+16㎏は全て成長分。増減±0で前走以上の状態。
  • 好スタートから秒で絶好位の離れた中団前目。
  • 人気2頭が勝手に逃げ地獄に陥る。
  • 2週目の坂の手前から進出開始。真後ろにボルドグフーシュがいるが手応えが段違い。直線に入るとあとは独走。
  • 出走メンバー中唯一の上がり34秒台はスピードとスタミナの高さの証明。強い。
  • マーカンドと克駿にも悪い騎手ではないが、騎手が違うとここまで違う。
2着 ⑦ディープボンド
  • 春天3年連続の2着。通算で4度目のGI2着はステイゴールドに並ぶ記録。
  • 近走成績から衰えは隠せないが、春天では確実に展開に順応した走りを見せる。
  • 好スタートからジャスティンパレスと同じ完璧な位置取り。
  • 2コーナーから前を伺うのは少し早いが、ペースが中弛みになり事なきを得る。
  • あとは持久力を活かす。
  • 勝ち馬には屈したがこの馬のレースは出来た。
3着 ⑯シルヴァーソニック
  • 昨年はカラ馬で2着。
  • 意外に堅実派。
  • Ⅾ.レーンに替わって重賞連勝中。
  • 京都3200mの枠順での有利不利はそこまで甚大ではない。
  • 道中は後方追走。ボルドグフーシュの後ろで機を伺う。
  • ただ、あの位置からの追い出しでは届かない。少し待ち過ぎたか。
4着 ⑫ブレークアップ
  • 重成績〇。前日からの雨は追い風だったが稍重まで乾いてしまう。
  • 前走で敗れた2頭とは今回同斤。
  • 逃げ2頭が激流に巻き込まれればチャンスはある。
  • 今回の上位は全て離れた中団~後方待機組。
  • 上位3頭とはスタミナの絶対値の差。
5着 ⑭マテンロウレオ
  • 調教で測れない厩舎だが、馬に泣きが入る程のガチ追い敢行。
  • 愛息二人が人気馬騎乗で授業参観の可能性大。
  • 好スタートから最小の動きで1~2着馬と同じベストポジションキープ。
  • 距離ロスを極限まで抑えインビタ。下がって来るアフリカンゴールドも最小の動きでパス。
  • タイトルホルダーの異変も逸早く察知。問題なくパスしているように見えるが、息子二人(黒丸)を交わすまでここから進路を一歩も内に入れていない。

  • タイトルホルダーを交わすと即座に京都外回り名物のイン突き狙い。
    もはや神域の騎乗。

  • 4着馬とはクビ差の接戦だったが上位3頭とはそもそもの京都3200m適性+能力の絶対値で負けている。恐らくムーアとデットーリの融合体が乗ってもこのあたりが限界。
  • 間違いなく神騎乗 of the year。
6着 ⑬ボルドグフーシュ
  • 前走完全舐めプ。今回は上積みありで調教後馬体重+16㎏。よしよし。
  • 当日500㎏。。。。。。。あと10㎏欲しいのに成長分はどこに捨てた?
  • 1週目スタンド前で少し脚を使う。
  • 3角から勝ち馬の後ろで進出を開始するが手応えが違い過ぎた。
  • 勝ち馬とはスタミナの内包量の違いもあったように見えるが結果的には道中でひと脚使ったのが最後に響いた印象。
  • 馬体重もう少し増やそう。
7着 ⑮エンドロール
  • 猛蔵初のGI挑戦。
  • 相棒は3勝馬ながら来年は普通にOP馬になって出走する馬。
  • さすがに格負けは免れないが、能力的には人気以上の着順には来ると予想。
  • 今後の経験になれば良い程度。
  • 外枠から速攻で内に切れ込み距離ロス回避を狙うが、何しろ初角まで417mもあるのでもう少しゆっくり目でも良い。この辺が若手。
  • ハイペースの後方追走は教科書通りだが、最初真横に動いているため後ろになり過ぎている。
  • それでも全体で3位の上がり、約10馬身差の7位入線なら上々。
  • 人馬共にこれからの成長に期待。
8着 ⑩サンレイポケット
  • 衰えがあるので開幕の出脚がことさら鈍く最後方。
  • ハイペースでバテ散らかした馬を交わしているうちに8着まで浮上。
9着 ⑪ディアスティマ
  • 北村友一はガチガチの逃げ争いはしないのでテレビ馬はアフリカンゴールド。
  • 無謀な先手争いを避け、少し距離を置いて折り合いに専念。
  • 馬の力量と展開面を考慮すれば最善手。
  • 力量馬でも力の劣る馬でも勝ちに行く競馬が出来ず、馬場も見えていないので入着止まりとなってしまうのが北村の弱点だが、落馬骨折前よりは幾分巧くなっているし、元々の特性である馬をなだめる技術も上がっている。
10着 ⑨ヒュミドール
  • 中団~後方有利の展開でベストポジにおさめる武豊の手腕はさすが。
  • 生産者様のお声。全ての馬は誰かに愛されています。馬に対する罵詈雑言は絶対にやめましょう。

11着 ⑥アスクビクターモア
  • 田辺から武史への交代は謎。
  • 逃げ争いに積極的に参加しているワケではないが、小さい出遅れから少し押したら基礎スピードの高さで付いて行ってしまう格好。
  • 論外の展開負け。
12着 ④メロディーレーン
  • 4年連続春天出走。
  • 美男美女カップル爆誕。
  • 常識的に馬券内は無理。
  • 故障して下がって来るアフリカンゴールドにぶつかりそうに。
  • 遂に弟に先着を果たすわけだが、、
13着 ⑤アイアンバローズ
  • 発馬後300mほど押すがスピード不足。
  • 抑えたのではなく、置いて行かれた外目4~5番手追走。
  • アフリカンが故障を発生するやいなやタイトルホルダーに絡みに行く。
  • 想像の域は出ないが、恐らくこれは同じノーザンファーム産馬への援護。
  • アシスト成功。
14着 ②ディープモンスター
  • 密かに長距離砲なので距離は向く。
  • この展開で前行っちゃダメでしょ。
15着 ⑧トーセンカンビーナ
  • 左前浅屈腱炎不全断裂。
  • 4角前には乱れがあり発症後に追ってしまっている。これは良くない。
  • 引退不可避。良質な血を次代に繋げて欲しい。
競走中止 ⑰アフリカンゴールド
  • 誰が見ても暴走。
  • 心房細動により2週目向正面で競争中止。
競走中止 ③タイトルホルダー
  • 恐れていた唯一の沈むトリガー『致命的逃げ争いに巻き込まれる』が発動。
  • スタート後に滅茶苦茶押していく。逃げ不利の京都3200mにおける最悪の騎乗法を人気薄のアフリカンゴールド国分がやるだけならまだしも番手OKの和生がやる必要性は皆無。当然激流へ。
  • アフリカンゴールドはやらかすだけやらかして心房細動を発症して競走中止。続いてアイアンバローズにまで絡まれる絶望の展開。
  • 右前肢跛行により2週目4角で競争中止。
  • 巷に拡がる『発走前にすでに故障していた説』
    →言われてみれば輪乗りの段階で鞍上の和生が本馬の脚元をチラチラと気にしている様子が窺える。
    信じ難い話だが、売り上げの大部分を占める圧倒的一番人気の取り消しはGI競走ともなれば数百億円に上る返還払い戻しを生むので、少々の故障なら走らせてしまうという胴元ならではの事情もわからなくはない。
    所詮は20~30%ものテラ銭に加えて二重課税も平気で発生するギャンブルに手を出す顧客の99%はカモなのだ。
  • ドゥラメンテの血は世界的に貴重。とにかく無事に種牡馬への道を。

まとめ

    • テンが早く、中弛みする展開を常時絶好位でビタっと折り合いを付け、キッチリ上がり最速を叩き出して4角先頭から後続を完封したジャスティンパレスの勝利にケチの付けどころは無い。
    • 騎手が変わるだけで馬はここまで変わるのかと改めて思い知らされた。
    • とはいえ成長度合いも半端ではない。これなら宝塚記念も有力視。
    • ジャスティンの馬はどれがどれだか見分けが付きづらく、割と地味なのでまだ人気沸騰とはいかないだろう。
    • ディープボンドのようにどれだけ不調に陥っても非根幹のスペシャリストには注意が必要。
    • タイトルホルダーの故障が心配。とにかく無事種牡馬入りして欲しい。
    • そもそも逃げ馬に優位性のないコース形状の京都3200mで上位人気2頭に加え、テレビ馬候補までいるならそれらを全て蹴飛ばして差し・追い込み馬から行くのが鉄則。
    • どれだけ強かろうと競馬に絶対は無い。
    • 今回の横山典弘の巧さは別次元で感動すら覚えた。
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参考

ケンタッキーダービー

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