中京競馬場の馬場状態
3/9㈯から2024年中京競馬が開幕。
3週6日間のショート開催。
各週にGI・GⅡ・GⅢが詰め込まれ、それでいて重賞の無い日はしっかりと若手・中堅・デビュー2週目の新人という阿鼻叫喚の騎手質で行われるため、ドローカルの本質も失わないという濃度の高い春の中京。
昨年12月以来3か月ぶりの開催。しかも、12月はAコース使用で今開催はBコース使用。天候に恵まれれば超高速馬場が基盤となることはまず間違いない。
但し今週の中京は空が怪しく開催日はそこそこ晴れそうなのだが、火・水・金と結構な雨量が見込まれそうで週末まで残らないとも限らない。(おそらく芝は良・ダートは稍重くらいからのスタート)
どれだけド新人でもさすがに開幕週の芝は内枠前有利な事くらいは理解出来るだろうが、みんな行くと今度は制御できるヤツが誰一人いなくなるという懸念すらある土曜日に手を出すのはかなりのチャレンジャーであり、真のギャンブラー。
きっちり出馬表を見て、やれるところと無謀なところの線引きはしておこう。
なにはともあれここも当然、馬場に関する不動の事実を記していく。
あとは各々分析し、『桶狭間の地獄』を堪能してほしい。
中京競馬使用コース
Bコース(Aコースから3m外に内柵を設置)
第1回中京全6日(3/9~3/24)
【平地重賞競走】
3/10㈰ 金鯱賞(GⅡ)芝2000m
3/16㈯ 中日スポーツ賞ファルコンS(GⅢ)芝1400m
3/24㈰ 高松宮記念(GI)芝1200m
馬場の変遷
第1回中京は全6日でBコース(Aコースから3m外に内柵を設置)を使用する。
(最上段が開幕週で最下段が当週)
3コーナー
Bコース
4コーナー
Bコース
直線
Bコース
ダート
- クッション砂の砂厚は9.0センチメートル(従来通り)で調整しています。
- 乾燥が著しい場合は、競走馬の安全のため散水を行う場合があります。
- クッション砂の凍結防止のため、コース全面に凍結防止剤を散布する場合があります。
芝
- 野芝に洋芝(イタリアンライグラス)をオーバーシードした状態で施行します。
- 凍結防止および芝保護のため、日陰部等のシート養生を行う場合があります。
- 芝の生育管理のため、中間日に散水を実施します。
B①昨年の第4回中京競馬終了後、開催で傷んだ箇所に洋芝(イタリアンライグラス)を追加播種しました。その後、馬場内側全周に渡り、約5週間保温効果のあるシートで養生しました。洋芝の生育は順調で全体的には良好な状態です。
JRAの発表は以上。
中京競馬場:コース図
コース立体図(左回り)
コース平面図(左回り)
コース断面図(芝・左回り)
コース断面図(ダート・左回り)
高松宮記念、チャンピオンズCと2つのGⅠが組まれている中京は左回りの競馬場。かつてはローカル場らしい形状(ほぼ平坦、小回り、直線も短い)をしていたが、敷地を拡張して大規模なコース改修工事が行われた結果、芝コースの1周距離は1600メートルから1705.9メートル(芝コースの距離についてはAコースの数値を用いる)に、直線の長さは313.8メートルから412.5メートルにそれぞれ延伸、直線には後述するような“坂”も新設され、2012年3月のリニューアルオープン以降は従来のイメージを一新するユニークな競馬場に生まれ変わった。
ちなみに芝コースの1周距離は阪神や中山の内回りよりも長く、直線の長さは京都の外回りよりも長い。一方、ダートコースの1周距離も1530メートルと、東京、京都に次いで全場3位、直線の長さは410.7メートルと東京に次いで長い。“標準以上にサイズが大きい競馬場”なのである。
芝コースの高低差3.5メートル(ダートコースは3.4メートル)も中山、京都に次いで全場3位。起伏の構成に目を向けると、ゴール地点からなだらかな上り勾配が続き、向正面の半ばあたりで最高点に達する。そこからは直線の入口にかけてなだらかに下り(3、4コーナーは芝、ダートともにスパイラルカーブ)、新設された急坂に差し掛かる。直線に向いてすぐの地点に設けられているこの上り坂の勾配は約2%(高低差は約2メートル)。日本一の急坂である中山の最大勾配(2.24%)には及ばないものの、“阪神や東京より急な坂”を駆け上がってなお、ゴールまでは200メートル余りあるのだから、かなりタフな設定といえる。そんなレイアウトを反映して、芝、ダートともに“差し、追い込み馬が水準以上に活躍”していることも見逃せない。
さて、福島や函館と同様、梅雨と重なる7月の開催は雨に祟られることが多い。中京の場合、広範囲に及ぶ芝の張替え作業をはじめ、大規模な馬場のメンテナンスが行われるのは7月開催の終了後(これは福島も同じ)。馬場管理の年間カレンダーからすると、7月の開催は“シーズン末”にあたる。
そんな背景もあり、7月開催の芝コースはどうしても馬場の傷みが進行しやすく、これと歩調をあわせてパワータイプの馬が目立つようになる。ただでさえ、タフな設定のコースのこと。走破時計のかかり具合、好走した馬のコース取りなどを手掛かりに、馬場コンディションの“変化”には目を光らせておこう。
ダートは1400メートル戦が芝スタート。また、専用コースが設けられておらず、置き障害で争われる障害戦はスピードタイプの活躍が目立つ。
文:石田敏徳(2019年9月時点)
今週の有利枠・不利枠
芝1200m 外枠不利
スタートから緩やかな上り坂でその後は下り坂からスパイラルカーブ。最初のコーナーまでの距離も短く当然のように良績は内枠。ただしハイペースになると差しも決まる。
芝1400m フラット
こちらも逃げ先行馬が主軸。枠の優劣は1200mよりは幾分フラット。
芝1600m 外枠不利だがなんでもありの魔窟
2コーナー手前のポケットという東京2000mと似通ったスタート地点が故に断然内枠有利と思いきや意外にも枠順による成績にそれほど大きな偏りのない魔窟。個人的には手を出してはいけないコースとしている。
芝2000m 開幕週は内枠先行馬
開催序盤は内枠の先行馬が優勢。
芝2200m フラット
スタート地点から分かる通り中京の芝コースでもっとも平等な条件。開催が進むとスタート直後に内を通る馬は若干の不利有り。
ダート1200m 逃げ馬
単調な条件。ただし頭の悪いペースになると荒れる。
ダート1400m 断然外枠
200mの芝+1200mのダート。
芝スタートのダートは競馬場を問わず恒常的に断然外枠有利。これは抗いようがない事実。
ダート1800m 多頭数の外枠は厳しい
多頭数の外枠は相当の割引。但し7枠までは普通に来る。
東京ダート2100mと1コーナーへの入りが似通っており、ここで膨らむ馬をチェックしておくと今後の馬券に繋がる。
ダート1900m 1800mよりはマシ、逃げ馬は苦戦傾向
コーナーまで100m長いからね。
そして坂スタートなので逃げ馬は苦戦傾向。
結論
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- 晴天で超高速馬場での開幕。
- 馬場の傷みは目に付く前に開催が終わりそう。
- 内粘り→外伸びへ変化のタイミング見極めがカギ。
- ダートの1400mでは外枠有利、逆に「多頭数の」ダート1800mおよび芝1200mでは外枠不利という明確な有利枠不利枠があるところを主戦場にするのがベター。
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