阪神競馬場の馬場状態
秋の阪神4週目(8~9日目)
東京はコース替わりだが阪神はA続行。これだけは頭に入れておこう。
先週の菊花賞(G1)はセイウンハーデスが飛ばして簡単なペースにならず先行馬は総崩れ。そんな展開を2番手追走からハナ差とはいえコースレコードで押し切ったアスクビクターモアは流石は三歳五芒星の一角である。
これ以外に先週好時計と言えるものはなく、フラーズダルムの1600m1:32.3がボチボチかなと言う程度。差し馬の台頭もあれば逃げ馬がそのままというケースもあった。
そこに1週+した今週はおそらく逃げ馬の優位性がやや薄れ、全体的に力量上位馬に優位性のある馬場=本命党向きの馬場になると思われる。
馬場の変遷
今開催から阪神は年末まで延べ13週26日間続く。そして使用コースは最初の15日間がAコース、後半の11日間がBコース(Aコースから直線部3メートル、曲線部4メートル外側に内柵を設置)
ということは恐らく11月のエリザベス女王杯やマイルチャンピオンシップの週は悪魔的な外差し馬場になっていることだろう。特にエリザベス女王杯の2200mで内枠を引いた場合は爆絶騎乗+展開の助けが必要となる。
内回り3コーナー
Aコース
外回り4コーナー
Aコース
直線
Aコース
①第3回阪神競馬前にAコース部約6,200平方メートル、第3回阪神競馬終了後にはBコース部を中心に約14,900平方メートルの芝張替を実施しました。その後ベースとなる野芝の生育促進に努め、9月上旬に洋芝(イタリアンライグラス)を播種しました。野芝・洋芝とも生育は順調で、全体的に良好な状態です。
②内回り3コーナー・4コーナーから正面直線にかけてコース内側に軽微な傷みがありますが、全体的には良好な状態です。
③内回り3コーナー・4コーナーから正面直線にかけてコース内側に軽微な傷みがありますが、全体的には良好な状態です。
④内回り3コーナー入口から4コーナーおよび正面直線にかけてコース内側に軽微な傷みがありますが、全体的には良好な状態です。
※JRAの発表内容→①が開幕週②は2週目の発表。
写真を見る限りでは3~4コーナーにかけての痛みは軽微ではなく映る。想定通り、逃げ馬に過度の期待はかけられないだろう。
但し、開幕週からお伝えしているように完璧にインが死ぬのはエリザベス女王杯とマイルCSの週。今週来週は馬場のハゲ具合を注意深く観察しながら慎重に事を進めないとエライ目に遭いかねない。
阪神競馬場:コース図
引用:JRA
昭和の時代は「オムスビ型の競馬場」として親しまれていた阪神競馬場だが、平成に入って装いを一新。「従来の3、4コーナーの外側に、外回りコースを新設」という大規模な改修をへて、日本屈指のスケールを誇る競馬場に生まれ変わった。内回りコースの1周距離は1689メートル(芝コースの距離についてはAコースの数値を用いる)と標準的なサイズながら、新設された外回りコースの1周距離は実に2089メートル。右回りの競馬場の中では日本最長で、東京競馬場(2083.1メートル)をも上回る。
そんな外回りコースの特徴はバックストレッチが非常に長く、3、4コーナーのカーブもゆったりしていること。内回りコースと分岐した後もしばらくまっすぐ走り、広々とした3、4コーナーを回って直線に向く。ちなみに内回りの芝1200メートルと外回りの芝1600メートルは発走地点が同じ、また、2コーナー付近に発走地点が設けられている東京の芝1600メートルに対し、阪神の芝1600メートルは向正面半ばからスタートを切る。これらを重ね合わせれば、バックストレッチの長さと3、4コーナーの大きさをイメージしていただけるはずだ。
さらに外回りコースの直線は473.6メートルと右回り最長(新潟、東京に次いで全場3位)。ゴール前には急坂も設けられている。サイズは標準的で決して小さいわけではない内回りコース(直線の長さは356.5メートル)だが、外回りはより“紛れ”が生じにくい、馬の実力がストレートに反映されるコースといえるだろう。
ただし幅員はそれほど広くなく、コースの設定はA、Bのみ。4つのコース(A、B、C、D)を使い分けられる京都に比べると、馬場の傷みは進行しやすい。梅雨と重なる6月の開催は特に、タフなコンディションになりやすいことは頭に入れておこう。
コースの起伏に目を向けると、内回りコースでは残り800メートル地点から、外回りコースでは残り600メートル地点から、直線の半ばにかけて緩やかな下り勾配が続き、ゴール前の急坂につながるレイアウト。この上り坂は高低差こそ1.8メートルながら、勾配は1.5%となかなかキツい。
一方のダートコースは残り900メートル地点から直線にかけて緩やかに下り、残り200メートル地点に高低差1.6メートルの上り坂が待ち受ける起伏構成。1周距離は1517.6メートル、直線の長さは352.7メートルで、芝の内回りと同様、こちらも標準サイズといえる。とはいえゴール前に坂が設けられている阪神と平坦な京都では、パフォーマンスに差が出る馬もいるので注意が必要だ。
コースは右回り、ダートは1400メートル戦と2000メートル戦が芝スタート。また、障害戦はタスキコースを含む専用コースで争われる。
文:石田敏徳(2019年9月時点)
今週の有利枠・不利枠
芝1200m 外枠不利・逃げ馬有利
最初のコーナーまで約243mしかなく、まだ2週目。内枠からすんなり逃げられたら後続は厳しい戦いを強いられる。先週のトウシンマカオは別格だっただけ。
芝1400m 多頭数の外枠先行馬は不利、極端な内枠もマイナス。
芝1200mのスタートから200m伸びただけだがコーナーの入りまで243mと443mでは天と地ほども違う。差しも効くがある程度の位置は欲しい。
29㈯はスワンS(G2)が組まれるが、先行争いに加わったところで外々を回らされる恐れのある⑰スカイグルーヴは相当厳しい枠。同様にある程度前に行きたい①ホウオウアマゾンや②ヴァトレニも向こう正面のやや荒れたインを最初に踏むのは減点材料でこの3頭は人気的にも消していく。
調教絶好のダイアトニックだが④かぁ。。。うーん
芝1600m 外枠OUT
開幕序盤はその傾向に拍車がかかる。多頭数の外枠から来る馬は素直に能力を認めて良い。
芝1800m(外回り) フラット
最初のコーナーまで600m超なら枠順はどこでもいい。脚質云々より「本質的な強さ」が問われるので堅いと思しき馬が出て来たら全ツ。
芝2000m フラット
コーナーワークの巧さが重要と見ているコースで少し力が劣る穴馬も立ち回り一つで好配当を演出する。大阪杯のビデオを舐めるように見るとよくわかる。
芝2200m ほんのわずかに内枠不利
2000mより200m後方からのスタートで最初のコーナーまで約525m。強い馬は容赦なく強さを見せつける良コース。
芝2400m 僅かに内枠有利。逃げ馬はドスロー想定なら僅かにおさえる程度に
京都大賞典の結果を見てもわかる通り、いきなり急坂から始まるエグいコースだけにここで飛ばさざるを得ない逃げ馬は当然成績も悪い。のんびり中団に付けるくらいが丁度いい。
芝3000m(内回り) 外枠不利のはずだが…
外回りの桜花賞より最初のコーナーへの入りが早いといえばわかり易いだろうか?理論的には明らかに外枠は不利になる。但し3000mという距離の特性上テレビ馬でない限りは出鼻からビコビコ押していくようなことはせず、ほぼ100%縦長の展開になるため行きたい馬は外からでも比較的すんなり先手を取れるし、後方待機勢もそれほど苦も無く追走出来る。
つまりそれは
①根本的に強い馬
②長距離での折り合いに不安が無い馬
に優位性のある条件であることを示す。
なお、京都でも阪神でも過去の菊花賞を振り返れば勝つのは①、穴を演出するのは②と相場が決まっており、枠順の優劣以上にまずはそこに焦点を当てて予想を組み立てるのが良いと考える。
ダート1400m 断然外枠
芝スタートのダートは競馬場を問わず恒常的に断然外枠有利。これは抗いようがない事実。
結論
- 高速ではないが、やや速い馬場
- 逃げ馬は疑問視
- 多頭数1600mの外枠は即消し
- 堅いのがいると感じたら1800m
- 2400mの逃げ馬は即消し
今週のおすすめ
土曜
9R ④タイセイクラージュ かなり動けてる
11R ⑪ルプリュフォール 遅れて本格化。時計的には勝負になるレベル。相手に⑧④⑥。悪枠で①②⑰は消し。
日曜
11R プログノーシス 能力優勢の馬場で通過点
他場
10/29~30 東京 天皇賞・秋(G1)アルテミスS(G3)
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