札幌競馬場の馬場状態
第1回と第2回を立て続けに開催するため7週続く札幌の4週目。
最初の4週はAコース、後の3週はⅭコース(Aコースから3m外側に内柵を設置)で行われる。直線はそれぞれ266.1m、269.1mと短く、小回り向きの先行力とコーナリングの上手さが求められるのは言うまでもない。
暑さを苦手とする馬も数多く、お世辞にも絶好調とは言えない体調での出走を余儀なくされる夏競馬という地獄ファクターに加えて避暑地である北海道というロケーション。
難解な条件の中、開幕序盤は圧倒的に内枠が有利となる1500mと1800mに的を絞るようお伝えしたのだが1800mの方では特に顕著にその傾向が現れた。
この2コース+2600は先週まで内枠天国だったがAコース最終週となる今週はどうなるか。まずは最終週なのに第2回札幌競馬初日という言葉のマジックに騙されないこと、そして週中にアホほど雨降りがあってクッション値が驚異の6.5となれば欧州並みの泥田カオス開催になることを肝に銘じておかねばなるまい。
気が引き締まったところで今週の馬場を見て行こう。
馬場の変遷
3コーナー
Aコース
4コーナー
Aコース
直線
Aコース
3コーナーから4コーナーの内側に傷みがあります。その他の箇所についても少しずつ傷みが広がってきています。
JRAの発表は以上。
先週は3~4コーナーに痛みが出始めたことがカギになるとお伝えした。
これは=1200mと2000mがフラットに向かい始めたということ。小回りコースだからといって一緒くたにする内枠信者になってはならない。この2つの距離は最内よりは⑥~⑧くらいが程良くなったと考えよう。
なお先週の1200の上位入線順は
土曜
3R⑨⑫⑩(16頭)
5R⑧⑥②(8頭)
日曜
10R①⑭③(16頭)
12R⑮②⑩(16頭)
10Rで勝ち上がったショウナンラスボスはさておき、フラットに向かいつつある中、多頭数で内枠をこなしたヤマニンルリュール、ディオアステリアは次走も札幌なら余裕で買えるという事になる。my注目馬に登録しておこう。
また2000のほうは
土曜
6R⑥⑦⑪(16頭)
日曜
3R⑩⑮③(16頭)
8R⑬⑤⑦(14頭)
つまり日曜3Rでクビクビ惜敗のトーセンシエロは次もチャンスとなる。
札幌競馬場:コース図
引用:JRA
コースは右回り、芝、ダートともに特筆するほどの起伏は設けられておらず、「ほぼ平坦」なつくりの札幌競馬場には、ユニークな特徴を指摘できる。コースが全体的に“丸っこい”ことだ。
芝コースの1周距離は1640.9メートル(芝コースの距離についてはAコースの数値を用いる)と、ローカル場のなかでは標準以上の大きさを誇るのに、4コーナーからゴール板までの距離(266.1メートル)は、函館(262.1メートル=A、Bコース使用時。全場のなかで最も短い)とほとんど変わらない。しかも直線の半ば過ぎにゴール板が設けられている函館と違い、札幌のゴール板は1コーナー寄りに設置されている。従って実質的なホームストレッチの長さ(4コーナーから1コーナーまでの距離)は、函館よりも短い計算になる。
札幌の場合、4つのコーナーはそれぞれ半径が大きく、“緩やかで大きなカーブ”で構成されている。コースの全長のなかでコーナー部分の占める割合が多く、そのかわりに、直線部分が短くなっているというわけだ。一般的な競馬場を楕円形とすれば、札幌は「円形に近い」競馬場なのである。
芝コースの内側に設けられているダートコースも、ほぼ同じようなレイアウト。1周距離は1487メートルと、ローカル場のダートコースのなかでは中京に次ぐ大きさを誇るが、直線の長さは264.3メートルしかない。ちなみに中京のダートコースは1周距離が1530メートル、直線の長さが410.7メートルである。2つの競馬場のサイズを比較すれば、札幌がいかに独特な形状をした競馬場なのかがお分かりいただけるだろう。
スパイラルカーブは採用されておらず、直線も短い。そんなレイアウトから浮かぶイメージ通り、後方一気の追い込みタイプは苦戦傾向にある。しかし半面、レースの決まり手に「捲り」が占める割合は他場との比較でもかなり高い。コーナー部分が多いだけに、馬群の外々を回れば距離的なロスは大きくなるが、早めにスパートをかけてくる追い込み馬には警戒が必要だ。そうした仕掛けのタイミングも含め、東西のトップジョッキーが集結する札幌開催では、騎手同士の駆け引きも大きな見どころと言える。
函館同様、芝コースが「オール洋芝」であることも札幌競馬場の特徴のひとつ。洋芝は北海道以外の競馬場のベースに使われている野芝に比べ、寒冷な気候に強い、芝のマット層による保水性が高い、耐久性はやや見劣るなどの特性を持つ。品種の違いに由来してか、野芝がベースの競馬場より走破時計は若干、遅くなりがち。少し時計がかかる馬場や北海道の芝コースを得意にしている“洋芝巧者”は、近走の成績によらず警戒が必要だ。
もっとも、札幌の芝コースは水はけが抜群で、馬場状態が重になることは滅多になく、不良にいたってはこれまでなったことがない。路盤構造や開催時期の違いも背景にあるとはいえ、同じ洋芝馬場でも「函館ほど雨の影響は受けにくい」ことは覚えておきたい。
文:石田敏徳(2019年9月時点)
今週の有利枠・不利枠
※先週とほぼ変わらないが、今週に限っては枠や能力以上に力の要る馬場への対応力が重要視される。
芝1200m もはや内枠は割引
2コーナー付近のポケットからスタートで、3コーナーまで向こう正面約400mを走るため枠順による影響は低めだが、前述の通りそろそろ内は徐々に不利になって来る。
芝1500m 内枠有利も過信禁物
札幌にしか芝1500mはない。滅茶苦茶特殊なコースで最初のコーナーまで斜めに約170mを走るこんな変則コースで外枠を引いてる場合ではない。
芝1800m 内枠有利も過信禁物
最初のコーナーまで約180m。多頭数で人気馬が外枠を引いたら黙って消しに行く。
芝2000m 所謂ちょうどいい枠がベター
4コーナー奥のポケットからのスタートで1コーナーまでの距離は約380m。これより短い距離に比べれば枠による影響は小さい。もちろん外枠は自動的に嫌われ人気的には旨みがあるのだが、札幌芝は露骨に有利不利の出る1500mと1800mに絞って望む方が良いとは思う。
芝2600m (多頭数なら)内枠有利だが地力優先
向こう正面スタートで最初のコーナーまで約160m。この時点で外枠は嫌われるのだがどういうわけか内枠の成績がイマイチの謎コース。
ローカルの長丁場はそうそう多頭数になることも無く、結局地力が上の人気馬が活躍する傾向にあるので、あまり枠は気にせず強いと思われる人気馬を主軸に馬券を組み立てるのが良い。
結論
- 今週の札幌は欧州開催同然。
- 重厚血統での馬券組み立てもアリ。
- とにかく力馬。ダートから芝へみたいなハヤヤッコを探そう。
- 1200mと2000mで極端な内枠は軽視。理想は⑥~⑧
今週のおすすめ
土曜
8R ①キントリヒ 重巧者が2600の①なら。相手に単騎逃げ⑩
10R ③グレイトオーサー 前走は10年前の福永が騎乗。他の有力馬が外枠なら。
日曜
3R ⑭ロードマグマ 前走の滅茶苦茶なレース振りで3着なら。
4R ⑪シャノワール クソ枠だが現在16倍、さすがにそれはない。距離短縮ハマれ。
5R ③エンライトメント やる気の追切り。枠もいい。
7R ③ルージュエクレール 未だ1勝馬なのが謎。
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