9/12㈰の中山7Rで単勝1.1倍のボーデンが4着に敗れた。
仮にボーデンが今週末に中山競馬場で行われる第75回セントライト記念(G2)に出走予定だったなら、一定の支持は集めたであろうことは想像に難くない。
屈強なクラシック出走組を向こうに回してもG2で穴人気程度にはなるボーデンが古馬1勝クラスに出てきたのだから一本被りになったのも頷ける。
しかし、大口購入者の祈りを他所にボーデンは沈んだ。
本日はその理由と、結果からの教訓についてを記していく。
ボーデンからの教え
ボーデンの凡走理由
- なんでもアリの古馬条件戦
- 舞台は紛れの多い中山マイル
- スタートで安めを打ち、ヨレて隣にタックル
- そのタックルをすかさず返される
- そのまま出足が付かず後方に置かれる
- 折り合いを欠く
- レース中に右前脚落鉄
スタートから凡走要素が揃い、最後まで精彩を欠き続け4着。
1.1倍の割の低さ
現在のJRAでは相当の支持を集めない限りは「+10」のルールがあるため、鉄板この上無しと見られる馬の複勝でも「ほぼ」1.1倍の配当が付く。
「競馬に絶対は無い」
この格言を持ち出すまでもなく、この類の馬が馬券圏外に吹き飛ぶことは日常茶飯事だ。
ラガーレグルスやゴールドシップの様にスタートで仁王立ちする馬もいれば、メリーナイスやバスラットレオンの様に1秒で騎手を振り落とす馬もいる。
ラチにダイブ、逸走など不慮の事故が起きてしまう馬もいる。
今やアイドルホースとなったメイケイエール程ではなくとも、レースで折り合いを欠く馬など星の数ほどいる。
コーナーで膨れたり、直線で前が詰まる馬はほぼ全レースに存在する。
己の買った1.1倍の馬がそれらに当てはまらないという保証はどこにもない。
1.1倍を11回買って10回的中してもチャラ。しかも今回のボーデンは複勝ではなく単勝オッズが1.1倍。
普通に走ればボーデンは勝っていたかも知れないが、「銀行馬券はリスクの塊」であることを改めて肝に銘じておこう。
凡走が馬に与えるダメージ
駄騎乗がもたらす暗い影
レース後の川田は「前走後方から行ったので馬が行かなかった」的なコメントを残し、「人のせいにすんな!」とプチ炎上したが川田の言いたい事が分からなくもない。
前走と言えばあのラジオNIKKEI賞(G3)だが、確かに雅の騎乗は下手を通り越しており、実際どうやっても勝てない乗り方をされるとその後のレースぶりに暗い影を落としてしまう馬は存在する。
言い訳は認めるが、理由がどうあれ結果的に川田は同じ轍を踏んでしまっている。
キャリアの浅い馬への温情采配
「レースを覚えさせる」という言葉があるように、馬はとても頭が良い。
スピードに任せて気の向くままホイホイ飛び出して行く馬をひたすら我慢させて好位~中団待機させるのは騎手の仕事である。
となれば、それが出来る騎手が新馬戦で優先的に素質馬を依頼されるのが普通の流れだが、これとは逆に素質馬でも温情采配がある。
これが非常に厄介なのだ。
駄騎乗の代償
- スタートはこのタイミングね。
- 我慢しないとダメだよ。
- この辺からスピード上げていこうか?
- 真っ先にゴールしようね。
競走馬はこのような感じで騎手とコミュニケーションを取りながらレースを覚えていくが、あまりにも無駄の多いレースや、ストレスが過度にかかるレースを続けると走る事自体が嫌になる。
これは一過性の事もあれば長く続くこともあり、要因となる駄騎乗レースを演出してしまう比率が高いのは、やはり名手より温情采配で起用された騎手達である。
セントライト記念で該当する馬は?
あまり言いたくないがアサマノイタズラであることは否めないだろう。
雄大で気品のある馬体に見惚れ、注目したデビュー戦で離れた3着。
折り返しの未勝利戦は楽勝したが、次の水仙賞が究極の酷さ。
奇跡的な温情を授かったスプリングS(G2)で何とか2着したものの、皐月賞(G1)ではダノンザキッドと終始喧嘩でシンガリ負け。ラジオNIKKEI賞では言葉も出ない駄騎乗で12着。
掲示板は嶋田への罵詈雑言で溢れ、菩薩のような心を持つ陣営もさすがにこの馬の将来を危惧したのか今回は中山将軍の田辺が騎乗予定だ。
タイトルホルダーにオーソクレースと2頭のG1連対馬を含む世代トップクラスが多数出走予定のセントライト記念で田辺はアサマノイタズラを復活に導けるのか。はたまた前2走の大敗が尾を引きそのまま単なる素質馬で終わるのか。
我が子を見守る心境で応援したい。
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