6月6日㈰に東京競馬場で行われる安田記念(G1)の枠順が確定した。
連覇を狙うグランアレグリア(牝5、美浦・藤沢和雄厩舎)は4枠5番、一昨年の覇者インディチャンプ(牡6、栗東・音無秀孝厩舎)は5枠8番から2度目の制覇を狙う。
今回は安田記念の舞台となる東京競馬場芝1600mの特徴と独自見解、並びに全出走馬の〇✕考察を述べていく。
東京芝1600m
コース
スタート地点は向正面直線の右奥。最初の3コーナーまでの直線距離は約542m(Aコース時)。3コーナー手前にさしかかるところで緩い上り坂。3~4コーナーにかけては下り坂になっている。最後の直線に入ると、途中からなだらかな上り坂(高低差2.1m)。東京競馬場全体の高低差は2.7mある。最後の直線距離は525.9mで、新潟の外回りコースに次ぐ長さ。仮柵によるコース設定はA、B、C、Dの4パターン。3mごとに幅員が異なる。例年、Dコースは1~2月に使用され、芝内側部分を保護している。(JRA-VAN)
馬券戦略
再三お伝えしているが、東京芝1600mは公平なコースで、枠順による有利不利は無い。
強いて言えば意地でも先行したい馬が多数いればやや内枠が良い程度だろう。
なんでもかんでも「外枠はダメ」という風潮は根強くあるので、買いたい馬が外枠に入ったら人気が少し落ちてむしろラッキーくらいに捉えて良い。
安田記念出走各馬〇✕
①サリオス
〇体型的に元々立派に見える馬だが、大阪杯は馬体の増減は無くとも緩めの「牛オス」仕上げで戦前から好走期待薄。目標ここは明らかで大幅な前進期待。
〇大阪杯は有力馬がこぞって不発に終わった特殊馬場、マイルCSは外枠駄騎乗と敗因が明確。
〇東京コース(3.1.0.0/4)
〇成績表からコントレイルを抜くと無敗の2冠馬。
〇一週遅れの①
✕対グランアレグリア・コントレイル共に全敗と格上に弱い。
✕チグハグな追切
✕勝手に好枠だと解釈される①
②ギベオン
〇4億超えWIN5を叩き出すような生粋の大物食い。
〇良績は左回りに集中。当コースG1での2着も。
✕今回のメンバーは今まで戦ってきた中でおそらく最強。
③ダイワキャグニー
〇「何が何でも行く」タイプはトーラスジェミニだけで好位取りは楽。
〇全8勝が左回り。
✕マイラーズC4着で復調気配あるも、全盛期ほどの力は疑問。
④カラテ
〇新潟リーディング奪取で勢い付く明良に初重賞をプレゼントしたこの馬でG1初騎乗初勝利となればかなりのドラマ。
✕馬主さんも週中まで出走を悩まれていたように状態面の不安大。
⑤グランアレグリア
〇現役短距離女王でマイルG1は4勝。昨年はアーモンドアイを全く相手にせず完勝。
✕初の中2週臨戦で、追切も軽め。
✕1.4倍前後で単勝勝負してたら確実に破滅。
⑥ダノンプレミアム
〇逆襲の池添。
〇逃げ先行勢の大将格
✕2桁着順は安田記念だけという相性の悪さ
⑦ラウダシオン
〇京王杯SCは着差以上の完勝
〇東京コースは(3.1.0.0/4)と相性抜群
✕G1に限って突然大敗する傾向
✕いつもながら追切がテキトーで軽く、全幅の信頼が置き辛い
⑧インディチャンプ
〇追切は動いており、高松宮記念のダメージはない。
〇一昨年の覇者で昨年は3着。コース相性もレース相性も◎
〇ワグネリアンのダービー以降の福永は別物
✕以前と違うスプリントローテ
✕加齢に伴い、やや勝ち味が遅くなってきた
⑨トーラスジェミニ
〇単騎逃げ濃厚。戸崎なら乱ペースもなさそう。
✕絡まれて乱ペース。
✕一線級相手だとどうしても分が悪い成績。
⑩カデナ
〇意欲的な追切
〇最近過剰人気ばかりだった武豊が気楽な立場で乗れる
✕一年以上馬券圏内無し
⑪ダノンキングリー
〇ワールドプレミアの春天で牡馬最弱世代の悪評は払拭された
〇芝2000のG1でクロノジェネシスを抑えて1番人気に支持されるほどの素質
✕安田記念と秋天の脆弱ぶりから来る早熟説
✕体調良化の兆しも追切からは窺えない
⑫ケイデンスコール
〇今年初頭からの劇的復活
〇安田記念と好相性のマイラーズCを完勝
〇中間の気配上々
〇G1連対歴もあり、格落ちはない
✕結果を出したフルキチから岩田への差し戻しは世間的に心証がさほど良くない
✕復活したとはいえ、真の強敵相手ではない
⑬シュネルマイスター
〇57㎏を背負って1:31.6でNHKマイルCを制した馬が54㎏での出走
〇非SS血統で種牡馬期待値はノーザンでも随一
〇むしろ最も活躍してほしいからこそグランと使い分けをせずに出して来た
〇ダービーで地獄を見た武史への騎乗依頼にノーザンからの慈愛の心を感じる
✕初の古馬相手で相手も極太
⑭カテドラル
〇年明けの2重賞で安定した末脚を発揮
〇晩成血統で、むしろここからの馬である可能性
〇安田記念では重賞未勝利馬の一発も警戒(モズアスコット・フィエロ等)
✕調子はせいぜい平行線
✕予想される1分31秒台前半決着への適応
まとめ
下馬評では女王グランアレグリアの相手探しというレースとなっているが、昨年は女王アーモンドアイの相手探しという下馬評だった事を忘れてはならない。
王者が王者のまま引退する事はもはや通例となってはいるが、その過程で一敗地に塗れることがあるのもまた通例なのだ。
確かにグランアレグリアは絶対的な存在ではあるが、デビュー以来初の中2週と初の春3戦目である上に追切も軽く、不安要素も皆無ではない。
有力馬の僅かなスキを突く武器は出走馬全てが持っている。
下剋上を期待しながら日曜日を迎えよう。
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