東京競馬場の馬場状態
今開催の東京競馬は全てⅮコースで、今週が4週目。そして最終週となる。
とんでもないほどにのんびりしたペースになった共同通信杯を見て『①前残りの馬場』と見るか、クイーンカップのように『②力こそ最優先の馬場』と見るか。
先週の結果を点ではなく線で全体を見渡せば『②寄り』。結果的にどちらの重賞も注目馬が勝利し、対抗クラスも勝ち負けに加わっている以上、それは揺るがない。
今開催も馬場の傷みの進行は遅く、最終週となる今週も前目で運べる馬に若干優位性はあるが、それ以上に基礎能力の高さは必須のものとなるだろう。
さて、週メインはダートの1600m、芝重賞は3400mと亜流。
土日共に晴で良馬場なのは救いなので突破口を探して行こう。
東京競馬使用コース
Ⅾコース(Aコースから9メートル外側に内柵を設置)
第1回東京全8日(1/27~2/18)
平地重賞競走
1/28㈰根岸S(GⅢ)ダート1400m
2/4㈰東京新聞杯(GⅢ)芝1600m
2/10㈯クイーンS(GⅢ)芝1600m
2/11㈰共同通信杯(GⅢ)芝1800m
2/17㈯ダイヤモンドS(GⅢ)芝3400m
2/18㈰フェブラリーS(GI)ダート1600m
馬場の変遷
第1回東京は全8日でⅮコース(Aコースから9m外側に内柵を設置)を使用する。
(最上段が開幕週で最下段が当週)
3コーナー
Dコース
4コーナー
Ⅾコース
直線
Ⅾコース
ダート
- 昨年の第5回東京競馬終了後、路盤点検および砂厚調整を行いました。
- クッション砂の砂厚は9.0センチメートル(従来通り)で調整しています。
- 乾燥が著しい場合は、競走馬の安全のため散水を行う場合があります。
- クッション砂の凍結防止のため、コース全面に凍結防止剤を散布する場合があります。
芝
- 野芝に洋芝(イタリアンライグラス)をオーバーシードした状態で施行します。
- 凍結防止および芝保護のため、日陰部等のシート養生を行う場合があります。
- 芝の生育管理のため、中間日に散水を実施します。
Ⅾ①昨年の第5回東京競馬終了後、約1ヶ月間馬場全面をシート養生しました。洋芝の成長は順調で全体的に概ね良好な状態です。
D②1週使用しましたが、傷みも少なく概ね良好な状態です。
D③3コーナーおよび正面直線の内柵沿いに傷みが出始めましたが、その他の箇所は概ね良好な状態です。
Ⅾ➃3コーナーおよび正面直線の内柵沿いに傷みがあります。
JRAの発表は以上。
東京競馬場:コース図
コース立体図(左回り)
コース平面図(左回り)
コース断面図(芝・左回り)
コース断面図(ダート・左回り)
日本ダービーやジャパンカップをはじめ、数々のビッグレースが行われる東京競馬場は、日本競馬の「顔」と呼ぶにふさわしいスケールの大きな競馬場だ。コースは左回りで、芝の1周距離は2083.1メートル(芝コースの距離についてはAコースの数値を用いる)、直線の長さは525.9メートル。幅員も最大41メートルと非常に広い。
起伏の構成もチャンピオンの座を争うコースにふさわしいハードなもの。ゴールを起点に追っていくと、1コーナーから向正面半ばにかけて高低差1.9メートルの長い下り坂が続き、その直後、3コーナーの手前には、高低差1.5メートルの上り坂が待ち受ける。 最初の坂を上りきった後は短い平坦部分を挟んで下り勾配が続き、4コーナーの手前からは再び若干の上り勾配に。そして直線、残り460メートル地点から300メートル地点にかけては2つめの上り坂が設けられている。中山や阪神に比べると勾配自体はなだらかでも、高低差は2メートルに及ぶこの坂を上り切った後も、300メートル(函館・芝コースの直線の長さとほぼ同じ)走ってようやくゴールにたどり着く。コースを1周する間に“2つの坂”を上り下りするレイアウトは福島も同じだが、スケールは段違いなのだ。
新潟などのローカル場と違い、カーブの半径がゆったりしているため、コーナーでゴチャつく可能性も低い。さらに広々とした幅員をいかし、4つ(A、B、C、D)のコースを使い分けることによって、馬場の傷みの分散化が図られている。様々な面から“紛れ”の介在する余地が小さいわけで、馬の能力がストレートに反映されやすいコースと言える。
一方のダートコースは1周距離が1899メートル、直線の長さが501.6メートルと、正真正銘、日本一のスケールを誇る。バックストレッチとホームストレッチに2つの坂が設けられている起伏構成は芝コースと同じだが、直線の上り坂の高低差は2.4メートルと芝コースを上回る。こちらも非常にタフでハードなコースなのである。
それだけに新潟の外回りコースと同様、直線の末脚比べとなるレースが多い。差し、追い込み馬の活躍が他場以上に目立つこと、まくりはあまり決まらないことも新潟・外回りとの共通項。早くに動いて押し切るのは至難の業ということだろう。
ダートコースはフェブラリーS(GⅠ)の舞台となる1600メートルのみが芝スタート。また、障害レースは固定障害の専用コースを使用して争われるが、年に2回の障害重賞(東京ジャンプS、東京ハイジャンプ)では通常時より難易度の高い“重賞仕様”の障害(大いけ垣、大竹柵)が設置される。
文:石田敏徳(2019年9月時点)
今週の有利枠・不利枠
芝1400m 大荒れ要素多分に含む
幾分内枠の逃げ馬が有利程度なので、大外の差し馬も楽々飛んで来る府中最大の魔窟。
芝1600m 僅かに内枠不利
なぜか外枠が嫌われる競馬界なので個人的に大好物でドル箱。開催が進むと内枠が死ぬので結婚できるレベルに好き。
東京新聞杯のアヴェラーレのように騎手が下手過ぎたりするとヘコる。
クイーンⅭのクイーンズウォークは無駄ばかりを試しても楽勝。
芝1800m 外枠不利
スタートから向こう正面の合流まで約150mしかなく、外枠を引く時点でツキがない。
芝2000m 圧倒的に外枠不利
超絶欠陥コースで多頭数の外枠引いたら人気でも軽く飛ぶ。
2400m (多頭数なら)内枠有利
開幕週などで多頭数なら必然そうなるが、局面は週ごとに変化する。
芝2500m 2400mよりは平等
2400mより100m後ろに下がる。
初っ端から長めの登り坂なので当然逃げ馬には良くない。
芝3400m 今年は枠は気にしない
向正面中程からイキナリ登り坂からのスタート。
今年のダイヤモンドS(GⅢ)は10頭立てと少頭数で枠は重要ではない。
好きな馬を買え。
ダート1300m やや内有利な魔窟
スタートから初角まで340m。
多頭数でグズグズしているとひたすら外を回る羽目になるので、ある程度は前に行く脚力が必要となる。
ダート1400m フラットな魔窟
スタートから初角まで440m。
枠順の影響は皆無で逃げも決まれば差しも決まる激ムズコース。
ダート1600m 断然外枠
2/18㈰フェブラリーS(GI)の舞台
芝スタートのダートは競馬場を問わず恒常的に断然外枠有利。
これは抗いようがない事実。
ダート2100m 内枠有利。1角で膨れる人気馬を探せ
1角まで240mしかなく断然内枠有利は揺るがない。
中京ダ1800~1900m、および新潟ダ1800mと初角の入りが似ており、リンクする。
ここで膨らむ馬はかなりの距離ロスを被るので各馬の参考レースは見ておこう。
まとめ
- 土日共に良。
- 内も外も使える分、位置を取れるに越したことはない。
- スピードと瞬発力に秀でた馬。(基礎能力の高い馬)
- 2000mは絶望的外枠不利。
- 1600mの外枠は狙い目。週を重ねるごとに傾向はより顕著になる。
- ダート1600mは超・外枠有利の枠ゲー。
- ↓踏んで帰るように。
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