中山競馬場の馬場状態
今週は秋の中山開幕週。
関東地方には金曜日に台風が襲来するが、基盤となる馬場は皐月賞以来4ヵ月ぶりの開催とあって良好なことは言うまでもない。
そして逃げ先行馬天国の開幕週というオーソドックスな考え方は良いのだが、ココは魔窟コース中山。話はそう簡単でもない。
例えば京成杯AH(GⅢ)は只でさえ内枠有利が定説な中山芝1600mに開幕週の馬場というおまけのついた条件。それでも外枠のフラアンジェリコが鬼差ししてくるようなデビルレース。
細かいデータではなく記憶だよりの話ではあるが、秋に限らず中山の開幕週というのはミステリアスな結果が頻発すると個人的には感じている。
その辺りの話はおいおい語るとして先ずは開幕馬場を見ていこう。
9日間開催の前半5日はBコース(Aコースから3m外に内柵を設置)
後半4日はCコース(Aコースから6m外に内柵を設置)を使用する。
中山競馬使用コース
Bコース(Aコースから3m外に内柵を設置)
4回中山前5日(9/9~9/18)
Ⅽコース(Aコースから6m外に内柵を設置)
4回中山後4日(9/23~10/1)
【今開催で行われる平地重賞競走】
9/9㈯ 紫苑ステークス(GⅡ)芝2000m
9/10㈰ 京成杯オータムハンデ(GⅢ)芝1600m
9/18㈪ セントライト記念(GⅡ)芝2200m
9/24㈰ オールカマー(GⅡ)芝2200m
10/1㈰ スプリンターズステークス(GI)芝1200m
馬場の変遷
最上段が開幕週で下に行くほど最新となる。
3コーナー
Bコース
4コーナー
Bコース
直線
Bコース
ダート
- 第3回中山競馬終了後、コース全面のクッション砂洗浄と路盤点検および一部の路盤補修を行いました。
- クッション砂の砂厚は9.0センチメートル(従来通り)で調整しています。
- 乾燥が著しい場合は、競走馬の安全のため散水を行う場合があります。
芝
- 野芝のみの状態で施行します。
- 第3回中山競馬終了後、クッション性確保のためエアレーション作業およびシャタリング作業を実施しました。
- 芝の生育管理のため、中間日に散水を実施します。
B①第3回中山競馬終了後、コース内側を中心に芝張替(約25,400平方メートル)を行いました。その後、散水や肥料散布、芝刈り等の生育管理に努めた結果、芝の生育は概ね順調で全体的に良好な状態です。
※JRAの発表内容→①が開幕週②は2週目の発表。
中山競馬場:コース図
コース立体図(右回り)
コース平面図(右回り)
断面図(右・内回り)
断面図(右・外回り)
断面図(ダート・右回り)
中山競馬場の芝コースには「内回り」と「外回り」の設定がある。2つのコースは2コーナーで分岐し、3コーナーで再び合流。もともとは3コーナーから向正面奥にかけて新設された芝1200メートル用の走路を、その後、さらに延伸して2コーナーにつなげ、現在のレイアウトになった。ちなみに、有馬記念が行われる芝2500メートル戦は内回りが舞台だが、スタート後、まっすぐにコーナーへ進入できるよう、発走地点は外回りコース上に設けられている。
外回りコースに比べ、2コーナーと3コーナーのカーブがかなりタイトな内回りコースは、見た目通りの「小回り」コース。実際、内回りコースの1周距離(1667.1メートル。芝コースの距離についてはAコースの数値を用いる)は札幌競馬場(1640.9メートル)と大差なく、310メートルという直線の長さも、いわゆる4大場(東京、中山、京都、阪神)の中ではもっとも短い。1周距離が1839.7メートルという外回りコースはともかく、内回りコースのサイズは「少し大きめのローカル場」と表現するのが当たっている。
とはいえ、コース全体の高低差は内回り、外回りとも5.3メートル。JRA全10場の中でも最大(次位は京都競馬場・外回りの4.3メートル)で、2階建ての建物に相当するこの高低差が、中山のレースに独特のアクセントを加えている。
全体の起伏を見ていくと、ゴール地点から1コーナーにかけて上り勾配が続き、2コーナーの手前で最高到達点を迎える。内回り、外回りとも、そこからは下り勾配に転じ、間に平坦部分を挟みながらホームストレッチ半ばの最深部まで延々と長い下り坂が続く。そして、ゴール前に待ち受けるのが中山名物の急坂。残り180メートルから残り70メートル地点にかけて設けられている上り坂の高低差は2.2メートル、最大勾配の2.24%も10場最大で、馬たちにとっては文字通り、“最後の難関”と言える。
一方のダートコースも、起伏構成は芝コースとほぼ同じ。1周距離が1493メートル、直線の長さが308メートルと、全体のサイズは「ローカル場を少し大きくした程度」に過ぎないが、全体の高低差は4.5メートルにも及び、ゴール前には芝コースと同様の高低差がある急坂が設けられている。
さて、2コーナーから下り勾配が続き、直線も短い中山のレースは、総じて瞬発力勝負にはなりにくい。直線の長いコースでは残り600メートル地点くらいからペースが上がるのが一般的だが、中山ではペースアップのタイミングが早く、瞬発力より持久力勝負を得意とする馬がしばしば台頭。また、軽快に飛ばしてきた馬が直線の急坂で失速し、形勢が一変することも多く、スリリングな攻防からは最後まで目が離せない。
コースは右回りで、ダートのレースは1200メートルのみが芝スタート。起伏に富んだ地形は障害コースにも上手く生かされており、深い“谷”を上り下りする坂路障害も中山の名物だ。春の中山グランドジャンプ、暮れの中山大障害と、1年に2回しか使用されない襷コース(通称・大障害コース)には、大竹柵、大いけ垣という、こちらも名うての難関が設置されている。
文:石田敏徳(2019年9月時点)
今週の有利枠・不利枠
芝1200m 内枠有利
この形で外枠にメリットはないのだが、どういうわけか内外の馬の成績に大きな開きは無い。ペース次第でどうにでも転ぶため脚質もそれほど問わない難解なコース。
正直言って好きな条件ではないので基本的にパスすべきところ。
芝1600m 内枠有利
9/10㈰京成杯AH(GⅢ)のコース。
外枠は引きたくない形態。にも関わらず開幕週に外枠決着すら当然に起こる超魔窟。
芝1800m 内枠有利スタートから最初のコーナーまで205mしかなく、外枠を引く時点でツキがない。
それが開催序盤ならなおさら。
芝2000m フラット
9/9㈯紫苑S(GⅡ)のコース。
中山で唯一常識的なコース。直線に痛みが出始めたら内枠は多少の割引を開始。
- 開催序盤は外枠少しだけ割引。
- 開催後半になると内枠は荒れ地。
芝2200m(外回り) そこそこフラット
2000mほど平等ではないが1600mや1800mほど理不尽に外不利なわけでもない。
芝2500m 内枠有利
有馬記念(GI)を始めとする中山の高格レースの舞台。多頭数の外枠には容赦ない厳しさを誇る。
ダート1200m 断然外枠
芝スタートのダートは競馬場を問わず恒常的に断然外枠有利。これは抗いようがない事実。
ダート1800m 基本的には先行力とコーナーワークの巧さが重要。枠順の有利不利は比較的小さい。
1角まで375mあるので案外枠による影響は少ない。とにかく荒れる。
逃げ先行が有利なのは言うまでもないが彼らは余裕で最後止まるし、平然とマクリも決まる。
ダート2400m・2500m 基本はパス
どこの競馬場でも怪しい距離のダートはあるが中山の場合このふたつ。
あまり触らない方が賢明。
結論
- 基本的には内枠・逃げ先行がどこでも有利。
- 丸ごとひっくり返されることもあるので注意。
- ↓ポチしてね。
今週のおすすめ
土曜
日曜
他場
競馬民必読書
頂への挑戦 負け続けた末につかんだ「勝者」の思考法
川田 将雅
「君の宣伝甘いんじゃないの?(・ω・#)」って感じでア〇ゾンさんに詰められて泣きそうなので競馬民の必読書を置いておきます。
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