「2021年のフェブラリーSは内有利が顕著な馬場だった」という文言を見かけた際にこれは注意喚起が必要だなと考えたのでこれを記した。
こんな妄言が浸透していることに驚きを禁じ得ないが、ことJRAダートに於いては内が伸びる・外が伸びるは一切無い。
例として、まずはJRA阪神競馬場のこの動画を見てみよう👇
おはようございます。
本日もハロー掛けの映像から。ダート1,800m直後のハロー掛けなのですが、昨日とは周りが逆になっています。
実はこれ、スタート地点のゲートとの兼ね合いで回る向きが決められているそう。
まだまだ知らないことばかりだなぁと驚かされます!#なかなか見られない阪神競馬場 pic.twitter.com/jajTxO9Vjl
— 阪神競馬場【公式】 (@HanshinKeibaJo) March 29, 2020
レース毎にこれを行っており、砂厚も砂質も変わることは無く、勿論コース替わりが行われることも無い。
芝は内から乾くというのは要は芝がハゲた箇所は地盤が太陽に当たる部分(芝に遮られない部分)が多いのでその分早く乾くからであって、ダートはそもそも全部ニュートラルに整備されているのでそれもない。
いい加減こんな世迷言に振り回されないようにメカニズムを示しておく。
内が伸びる
芝ダート問わずコースロスは無いにこしたことはない。ことダートに於いては何時如何なる時も内外のコース状態に一切差がないので必然的に強い逃げ先行馬が有利になる。(芝は開催が進むとインから荒れ、コース状態が変化する)
雨が降ろうが雪が降ろうが、内だけもしくは外だけ含水率が高くなる事もない。
昨年のフェブラリーSでは最内を通った各馬が好走しているが、4角で力の劣る、もしくは何らかの理由で発揮できなかった差し馬が全て外に膨らんでいるためロスの無い内が開き、そこを通った馬が来ただけだ。
また、ペースが前有利になった時も内が伸びているように見える。
「今日は外伸びねえなあ!」
何言ってんだ?頭大丈夫か?(;´・ω・)
外が伸びる
先行馬が揃いハイペースになれば必然的に差し追い込み馬優勢になる。先行馬はインを通るのでそこが団子になれば外を回すしかなくなる。
スローで外から差し切るのは単に力量が違うだけ。
「内伸びねえんだから逃げんなよ!」
ペース次第だから内も外も無いんよ(;´・ω・)
もしも読者にこの赤字の思考をしている方がいるならば、ダートに於いて内外の伸びが違うように見えるのは全て展開とペース、そして力量馬の脚質によるものだという事をここではっきり理解しておこう。
スマートファルコンが逃げ切っても内有利でなければ、ブロードアピールが追い込んでも外有利ではないのだ。
なお、以上のようにJRAダートでは直線の伸びに内外の差は皆無だが、芝と同じように枠順に於ける有利不利は存在するのでそこはお間違えの無いように。
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