【重賞展望】第82回皐月賞(G1)出走馬全頭診断

重賞展望

写真:JRA

皐月賞

4/17日㈰は中山競馬場で皐月賞(G1)が行われる。G1馬が2頭に無敗馬が3頭と頂上決戦に相応しい好メンバーが集い、牡馬クラシック第一弾は激戦必至の一戦となった。

春のG1シリーズが始まり前3週で1番人気が飛んでいる事もあるが、今回の皐月賞も桜花賞同様木曜日の枠順発表から既に不穏な空気が漂っている。まずは下のツイートを見て欲しい。

④から3着に入ったダノンキングリーが抜けていたが、ご存知のように彼はその後ダービーでハナ差の2着。

先週の馬場考察でもお伝えしたように春の中山も最終週になると直線のインが悪くなる。スタンド前スタートであればそこをほぼ間違いなく最低1度は通る事になる内枠の馬に有利になる事はまずなく、事実過去10年の皐月賞を見ても1~2枠から馬券圏内に突入するには世代屈指の能力を要求される。

しかし逆に言えば、白帽黒帽で3着以内ならばダービーでの馬券内確率は100%であることから、ダービーでも勝負になる馬であれば好走可能。勝つようならば世代最強がほぼ確定する事になる。

そこも踏まえて出走馬を見て行こう。

 

 

 

出走馬全頭診断

①ダノンベルーガ

皐月賞と好相性の共同通信杯(G3)直行組で、過去10年で半数の5頭がこのローテーションで栄冠を掴んでいる。新馬戦で見せたスケールの大きさから通信杯は本命に推したが、それに応えて楽勝したことから今回も重い印を回さない訳にはいかない。問題となる超💩枠①も本馬なら何とかしてくれる。

 

②アスクビクターモア

無敗の2歳王者ドウデュースを破った弥生賞(G2)で世代屈指のレースセンスを証明した彼も残念ながら💩枠を引いた。ある程度前目に付けたい馬だが今回は逃げ候補が揃い、外からワラワラと前に入られると厄介な事になるのでスタートからある程度促して行くことになるだろう。言うまでもなく馬場の悪い最内をだ。

普通に考えれば途轍もなく厳しい戦いは避けられないが、追切はすこぶる良く、人気馬に一泡吹かせるだけのデキにあると思われる。

③トーセンヴァンノ

大馬主である島川隆哉氏の自家生産馬。父ヴァンキッシュラン、母トーセンソニア共に島川氏の所有馬であったことからもトーセンヴァンノのクラシック出走は非常に感慨深いことだろう。

個人馬主と言えば金子真人氏が桁外れの相馬眼と豪運で名声を独り占めしている感があるが、彼は生産に携わってはいない。

オーナーブリーダーである島川氏や西山氏の生産馬が大舞台で活躍すればウマ娘のキャラもさらに充実する。時代のトレンドを後押しに一発を狙ってハマれば見返りは甚大だ。

④キラーアビリティ

ホープフルS(G1)を圧勝した2歳王者キラーアビリティはステップを挟まずぶっつけ本番を選択。過去3年でコントレイル、サートゥルナーリアがこのローテーションで戴冠していることは元より、昨年の桜花賞のように2歳王者決定戦→クラシック第一弾というのは牡牝問わず、本当に強い馬だけに許されたローテーションである。

1週前追切りは準備不足感が否めず、今週の本追切りもなんとか出せるかな?といった程度に私の目には映ったが、調教の出来不出来がレース結果を全て左右するほど競馬は簡単ではない。さらに問題の黒帽、そしてG1で3連続1番人気着外の武史の具合の悪さ。

ここで好走するようなら次代の化け物候補に名乗りを挙げる。

 

⑤グランドライン

1/4(25%)という控除率と同率の抽選を突破しての出走は強い運の表れ。この馬の単勝馬券をお守りとして財布に入れておけばご加護があるかも知れない。

恐らくシンガリ人気ではあるが、ここ3戦は葉牡丹賞→ホープフルS→スプリングSと、クラシックにおける一つの王道ローテを歩んで来ている点は警戒が必要。デビューから常に強い相手に揉まれてきた経験が大舞台で活きる可能性も。

なお、先週の桜花賞を制したのは人気薄のドゥラメンテ産駒である。

 

⑥ジャスティンロック

弥生賞の敗戦はロジハービン暴走による不利によるものが大きいため、見直す必要があるだろう。その弥生賞でも1馬身程しか負けておらず、どんな相手でも安定して能力を発揮する真面目さは先の大阪杯(G1)を制したポタジェに通じるところがある。

オールドファンには馴染みの深い格言「2頭出しは人気薄を狙え」も、重賞ウィナーである本馬ならばお買い得感が高い。

⑦ボーンディスウェイ

5年連続連対中で、過去10年(3.3.1.3/10)という超絶ラッキー⑦。

レースセンスの高さはメンバー中屈指の存在。弥生賞は勝ち馬アスクビクターモア共々スローの番手という展開利があったものの、最後までドウデゥースと2着争いを演じた事実は見逃せない。

3戦目以降は一貫して中山2000mを選択して来た事からも目標は次のダービーではなく皐月賞である事は明白。そして、今年はハーツクライの当たり年と言われている一因はこの馬にもあることを忘れてはいけない。

⑧ダンテスビュー

友道厩舎&吉田隼人&金子さん&4枠⑧番&単勝50倍超。まんま大阪杯のポタジェと同じである。

昨秋の東スポ杯(G2)でイクイノックスに一蹴され、年明け初戦に好走したきさらぎ賞(G3)も低レベルと揶揄されており評価は芳しくないがそれでもなお言える。

「結局金子さんかよ(;´・ω・)」

⑨サトノヘリオス

先週の1200m戦で記録された1:06.8。あのロードカナロアのレコードに0.1迫る時計だ。

2016年にディーマジェスティが記録した1:57.9を筆頭に皐月賞は比較的高速決着になる事が多く、これは2000mでレコード勝ちした実績を持つ本馬にとっては心強い傾向。

過去10年で勝率・連対率最低の5枠だがこれは単なる巡り合わせであり、馬場を考えれば超好枠であることに異論の余地は無い。個人的にもサトノの勝負服に一番似合うのは黄帽と緑帽だと考えている。

なお、惨敗したホープフルSは以下の内容で対抗評価としていた。

⑦サトノヘリオス

〇 新馬→エリカ賞と連続レコード勝ち。

〇 前走メンバーは楽に重賞レベル。

✕ 重賞の望来。

スプリングS(3着)は後ろから回って来ただけというレース内容で、スローの逃げ番手という展開利のあった前2頭以上の評価も十分可能。トライアルで脚を計っただけという一流騎手のお家芸を望来が真似してみたという線もなくはない。

⑩ジャスティンパレス

キラーアビリティと同じく暮れのホープフルS(G1)からの直行。そのホープフルSは2着とはいえ完敗と言える内容で、更に大幅に相手が強化される今回はやはり人気も一息といったところ。

しかしながら真ん中の好枠を引き、鞍上は皐月賞4勝のミルコ。杉山調教師からはゲートがカギとの事なので互角の発馬を決めれば侮れない。

⑪オニャンコポン

このようなツイートをしたら木金土と降雨があり馬場は渋り目。重で始まった土曜日の終了時には稍重まで回復したが、それでも欧州系血統の本馬にとって追い風にはなったのではなかろうか。

そもそも戦績は4戦3勝。負けた一戦も今となってはレベルに疑問符が付き始めたホープフルSの凡走なら再考の余地がある。

父エイシンフラッシュも本馬同様に京成杯制覇から皐月賞へ直行し、11番人気の低評価を覆し3着入線。その後ダービー馬に輝いた。当時の父の評価と比較してもオニャンコポンが劣る部分は今のところ見当たらない。

⑫ドウデュース

ほぼ世代の最強メンバーが勢揃いしたこの舞台で前日1番人気なら、多くの人がこの馬を世代最強と考えているのだろう。無敗で朝日杯を制し、年明け初戦の弥生賞(G2)では結構な不利を被りながらも差のない2着と文句のない成績で安定感もある。しかしながら、その支持率は16%程度に過ぎない。

  1. 過去10年で弥生賞組から勝ち馬が出ていない事。
  2. 無敗馬3頭を含んで底を見せてない馬が多数いる事。

この辺りが要因とされるが、他の人気馬が軒並み致命的な枠を引いている以上、まともに走れば軸不動と見ている。

 

⑬ビーアストニッシド

重賞を4戦して(1.1.1.1/4)と安定した成績で、唯一着外(4着)だったシンザン記念(G3)を除くと全て逃げて自分からレースを作っている。

今回は⑯デシエルトとの逃げ争いになると見られているが、おそらく行かないことにはお話にならない⑤グランドラインもそこに参加する事になる。超絶人気薄の三浦と超絶自分本位の岩田父との逃げ争いは見ものではあるが、控えめに言っても展開利は無い。

しかし、この馬はいつもそうして人気は無いが全て好走している所が怖いのだ。

 

⑭ジオグリフ

大器ダノンベルーガを抑えて1番人気に支持された共同通信杯(G3)で完敗。しかし昨年の3着馬ステラヴェローチェも通信杯完敗から直行して好走しているように見限るのはまだ早計。

サンデーレーシングの代表格としてここに駒を進めて来た以上、無様な戦いは許されないはずだ。

⑮ラーグルフ

ホープフルSで◎を打った馬だけに思い入れがある馬。弥生賞は仕上がりが酷く、とても走れる状態ではなかったので11着と惨敗したが、この中間の様子を見ると復調気配が窺える。

とはいえ前哨戦11着からの巻き返しは皐月賞においては至難の業。ここは高松宮記念(G1)で奇跡のビクトリーロードを切り拓いた穴男丸田に期待するしかない。

⑯デシエルト

3戦3勝の無敗で若葉S制覇。今から31年前に4戦4勝で若葉Sを制し、そのまま皐月賞とダービー共に圧勝した名馬がいた。

23年前には初勝利をダート1800mで挙げ、そこから4連勝で皐月賞馬に輝き、古馬になって前人未踏の大記録を打ち立てた名馬がいた。

「お前もウマ娘にならないか?」

 

猗窩座にスカウトされる素養は十分にある。

 

 

 

⑰マテンロウレオ

ホープフルS→きさらぎ賞とレースレベルに疑問符の付く2鞍でそれなりに好走したが、いざ強敵と激突した弥生賞では惨敗と高い評価を与えるには些か苦しい戦績。そしてある意味大外より具合の悪い⑰番枠とほぼ買い目は潰えたように見える。

しかしながら陣営は弥生賞はあくまでトライアルと割り切っている。初ブリンカーを付ける今回は楽しみも多いとのこと。

⑱イクイノックス
  • 調教を見るからには動き自体に問題はないが、特に目立つところもない。
  • ぶっつけ皐月賞も暮れのG1からならわかるが東スポ杯(G2)から?
  • ①②③④ほどではないが⑱番も皐月賞ではやや厳しい。

マイナス要因が多いが、それでも新馬戦と東スポ杯で他馬を置き去りにしたのは事実で全く底を見せていない不気味さがある。ここで更に隠し持ったギアを披露できるようなら大外も相手も関係ないだろう。

 

調教評価

ざっくりとA~Bだけ。

A ②

B ①⑦⑪⑫⑬⑮

まとめ

一通り各馬の買い目=強調材料を並べてみたが、やはり④キラーアビリティと⑱イクイノックスを私が買うことはもう無い。来たら能力の絶対値が違ったと割り切ればいいだけなので、現時点で悪枠ぶっつけ能力不透明上位人気の彼らを買う気はサラサラ起きないことを先ずは申し上げておく。

また、冒頭や馬場考察などでお伝えした通り、皐月賞の白帽黒帽(①~④)は超絶悪枠となっているため、強者でなければこなせない。

参考に4/16㈯に行われた2000~2200mのレースでの①~④番枠は(0.0.0.8/8)。7R③カトゥルスフェルス(2.2倍)や9R①エンギダルマ(3.7倍)程度しか人気馬はいなかったが、十分美味しかったのではなかろうか?

但し、皐月賞の1枠両頭①ダノンベルーガはダービーでも好走可能の能力を持ち、②アスクビクターモアは前に行かねばならない脚質上、スタート直後が厳しくなるが調教が最高評価とあっては買わざるを得ない。

普通に回ってくれば馬券内確保はほぼ間違いない⑫ドウデュース、調教も万全で絶好枠を引いた⑦ボーンディスウェイ、馬場の渋りが残れば面白い⑪オニャンコポンを含めた5頭で組み立て、最後にパドックを見た後、⑥⑨⑩を状態次第でおさえることにする。

◎ ⑫ドウデュース

〇 ①ダノンベルーガ

▲ ⑦ボーンディスウェイ

△ ②アスクビクターモア

✕ ⑥⑨⑩

◎~△の単勝4点と馬連6点

ワイド◎→〇▲△3点

三連複は◎~△4点厚め。

ここまで均等買いだと17点。

(⑥⑨⑩は場合によって追加)

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プロフィール
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ぽぽん

【競馬歴】ミホシンザンが春天を制した日に父に東京競馬場に連れて行かれてから36年。初恋はダイナアクトレス。
【卒論】ヘイルトゥリーズン系の今後
【職歴】大学卒業後大手飲料メーカーに就職も博打の方が数倍割がいいので退職。4号機時代を全力で堪能したあとは体力の限界で引退。心を入れ替えて会社員に戻るも超つまんないので2022年に起業。
【お住まい】千葉県の農地

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