【第46回エリザベス女王杯(G1):回顧】赤は赤でもアカイイト

重賞レース回顧

11/14㈰、阪神競馬場で行われた第46回エリザベス女王杯(G1)は10番人気のアカイイト(牝4、栗東・中竹和也厩舎)が2:12.1秒(良)でG1初出走にして初優勝。幸英明騎手はジュールポレールで制したヴィクトリアマイル以来3年半ぶりのG1勝利となった。

激戦となった2着争いは7番人気ステラリア、3着には後方で我慢を貫いた9番人気クラヴェルが入線し、3連単⑯-⑤-②は339万3960円の大波乱。1番人気レイパパレは苦しい展開に巻き込まれ6着に敗れた。

また、レース後には「アカはアカでもアカイイト」がトレンド入り。出走馬全頭診断を書いていてぽっと浮かんだオリジナルフレーズもこういった事があると知らぬ間に拡散されるようだ。

 

 

 

 

第46回エリザベス女王杯(G1)

枠順による明暗

6週12日目のAコース内回りの直線入り口スタートなのでほぼ強制的に最初から悪いところを走らされる内枠の馬は苦戦を強いられる。さらに逃げ馬は最もボコボコに耕された内回り直線入り口の最内を通る事になる

となれば1番人気①レイパパレは来たら仕方ないレベルまで評価を下げての無印が妥当。今年のG1におけるルメールはかつてないほど枠運が悪い。

アカイトリノムスメも③と苦難の枠となれば、中~外枠から勝ち馬が出る事は今思えば必然だったかも知れない。

 

 

 

 

 

 

レース展開

レイパパレのレース内容で一目瞭然と思われる。

コース取り

全周パトロールを見直すと、勝ち馬アカイイトは外枠から無理に内に行かず外々を回る。2着ステラリアも⑤番枠からここまで外に出す、反して3着クラヴェルは向こう正面以外はコースロスを避けて最内の最後方を進む。

スタート直後

マッハで好枠のテルツェットをインに持ってきたミルコにこの時は正直幻滅した。クラヴェル・ノリは肚を括って後方待機のインビタ。

向こう正面

スタート直後もそうだが、前から4頭目レイパパレの馬上でルメールがなるべく外を通らせたい気持ちが伝わる。画像を縦に分断すればステラリアとウインキートス、アカイイトは絶妙のコースを通っているのがお分かりいただけるだろう。

この時点でテルツェットとクラヴェルはほぼ圏外。ところがノリはここから僅かずつだがクラヴェルを外へ寄せて行っている。直線入り口の最内だけは避けようという思惑はあるようで、そこは流石に強かなところだ。ミルコがコース状況を把握していないとは思えないので、この辺りは初距離への不安などもあったのかも知れない。

ゴール前

ルメールが最後までここを通ったのはおそらく暗黙のマナーだろう。道中の折り合い、最悪の枠順と展開を考えれば彼ほどの名手が「このレースは勝てない」と早くから悟っていたのは想像に難くない。

確実に垂れる馬を伸びて来る馬の進路に置いておくことには危険が生じるからだ。

年中インで詰まる騎手はレース中にこういうことを一切考えていない。競馬ファンなら思い当たるフシがあるだろう。

レース結果

アカイイトの勝因

外枠から馬場の悪いところを避け、ハイペースに乗じた。

2着ステラリアもだが、正にこれだけだ。そして先行馬が揃い、乱ペース濃厚で差しが決まる馬場という条件を完全にクリアした馬が掲示板を独占した。

絶大な不利枠である②番枠から出たクラヴェルは上位3頭の中では最も苦労しているが故の3着だが、鞍上の手腕もさることながら猛烈に強い競馬をしている。

人気馬の敗因
  • ①レイパパレ・・枠と展開。
  • ③ムスメ・・短期に2度の輸送と枠。
  • ⑨ウインマリリン・・状態。
  • ⑮ウインキートス・・初の関西遠征。
  • ⑧テルツェット・・コース取りと距離。

あくまで主観だが概ねこんなところだろうか。今回は残念な結果に終わったが巻き返しに期待したい。

まとめ

勝ったアカイイトはこれで20戦5勝(5.4.1.10/20)となり、G1は初勝利。父キズナにとって産駒初となるG1勝利はワンツー決着のおまけ付きとなった。

今回はあらゆる面でアカイイトに向いた事は紛れもない事実だが、大逃げを打つわけでもなくG1の2馬身差完勝は出来ない。

次走は未定だが、もし年末の有馬記念(G1)に出走が叶うようなら面白い存在になりそうだ。

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プロフィール
ブログ管理人
ぽぽん

【競馬歴】ミホシンザンが春天を制した日に父に東京競馬場に連れて行かれてから36年。初恋はダイナアクトレス。
【卒論】ヘイルトゥリーズン系の今後
【職歴】大学卒業後大手飲料メーカーに就職も博打の方が数倍割がいいので退職。4号機時代を全力で堪能したあとは体力の限界で引退。心を入れ替えて会社員に戻るも超つまんないので2022年に起業。
【お住まい】千葉県の農地

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