【第163回天皇賞・春(G1):回顧】菊花賞馬ワールドプレミアの強さと福永祐一の腕に恍惚

天候もはっきりせず、メンバーも一長一短。波乱含みな雰囲気の中、27年ぶりに阪神競馬場で行われた第163回天皇賞・春(G1)は福永祐一騎手の3番人気ワールドプレミアが制した。

 

 

レース展開

午前中のレースで落馬負傷した北村友一騎手から坂井瑠星騎手に乗り替わったディアステマがジャコマルとの先行争いを制してハナに立つ。前半1000mは59.8秒と、3200mのレースでは明らかなオーバーペースだ。

カレンブーケドール、ディープボンド、アリストテレスが少し離れた先行集団、ワールドプレミアは人気馬全てが見える中団の絶好位で折り合う。

2000m通過は2:01.3秒。ペースは少し落ちたが、如何に高速馬場とはいえまだ速い。3コーナーに差し掛かると各馬が進出を開始するが、福永騎手ワールドプレミアはそれを見てワンテンポ遅らせて仕掛けた。

最後の直線

あのオーバーペースを刻んだディアスティマがまだ垂れずに粘っている。凄い馬だと感心したのも束の間、残り200mでさすがに限界を迎え、カレンブーケドールがそれを交わし、悲願のG1制覇へ抜け出しを図る。アリストテレスはもう一つ伸びない。

1番人気ディープボンドはなんとかカレンブーケドールを交わしたが、さらに外から襲い掛かったワールドプレミアの伸びはそれを上回る。

勝ち時計は3:14.7のレコードタイム。

今年の天皇賞・春も出走各馬が己の力を全て出し切った素晴らしいレースだった。

 

レース後

福永祐一騎手は「よく抜けてきてくれたと思います。一緒にレースもしていましたし、調教にもまたがったことで馬の特性というものはある程度掴めていました。あとはいかにそれを上手くレースで活かせるかというところだったんですけども、正直もう少し良いスタートを決めて、ある程度良い位置で競馬を出来るのがベストだなと考えてはいたんですけども、そこは上手くスタートを切ることが出来なかったんですけども、その後のリカバリーは内枠ということもありまして、非常に上手くいったと思います。前に有力馬を見ながらの競馬になりましたし、あとはどのタイミングで仕掛けるかというところだったんですけども、ウインマリリンが向正面から少し進出してきましたので、そのタイミングである程度ポジションを確保しておかないと動きたい時に動けなくなるだろうということで、少し自分が考えていたよりは早く外に出しましたけども、馬はよく応えてくれて長く良い脚を使ってくれました。全馬死力を尽くした非常に良い競馬だったと思います。(18年度目のチャレンジで天皇賞・春制覇、親子制覇になりましたね)親子というところはまぁあれですけれども…天皇賞という非常に格式の高いレースを勝つことが出来て、非常に光栄に誇りに思います」とのコメントを残した。

天皇賞・春という特大レースを制したにも関わらず、ガッツポーズもせず、ウイニングランも粛々と済ませ、ほぼ真顔だった福永騎手。

闇が深い。。。。。。(;´・ω・)

案の定SNSには件の話題で溢れかえっていた。

 

件の話題「持続化給付金不正受給問題」

JRA関係者の持続化給付金不正受給問題でキナ臭い話が流れていたのでワールドプレミアを敬遠したファンも少なくなかったが、馬には全く関係のない話。

ワールドプレミアは菊花賞馬として力強く、福永騎手は恐ろしい程、冷静沈着に愛馬を栄光のゴールへと導いた。

菊花賞(G1)を勝ち、その後有馬記念(G1)3着とした後に長い休養を挟み昨年秋に復帰。

年明けの日経賞(G2)を叩いてようやく本調子に戻り、晴れてG1二勝目を挙げた名馬が全てのファンから祝福されないのは淋しいものがある。

次にワールドプレミアが勝利した時には全てのファンが「強かった!おめでとう!」と言えるようになっている事を願わずにいられない。

 

 

別記事

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ぽぽん

【競馬歴】ミホシンザンが春天を制した日に父に東京競馬場に連れて行かれてから36年。初恋はダイナアクトレス。
【卒論】ヘイルトゥリーズン系の今後
【職歴】大学卒業後大手飲料メーカーに就職も博打の方が数倍割がいいので退職。4号機時代を全力で堪能したあとは体力の限界で引退。心を入れ替えて会社員に戻るも超つまんないので2022年に起業。
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