東京競馬場の馬場状態
今週は2回東京開催4週目でBコース替わり。
週メインは東京競馬場GI5連戦第2弾となるヴィクトリアマイル(GI)が行われる。
コース替わりということで例によって「内前内前」と騒ぎ立てられているが、はてさて真偽はどうなのか。
京都の開幕週でも同じような台詞は蔓延していたが、結構な数の人がダート1200m~芝3200mまで丸ごと同一視している。馬場読みはコースも距離区分もキッチリ分けてから発信するものであるべきと考えるので、これが一般に浸透してしまっているのなら嘆かわしい事だ。
無論、ヴィクトリアマイル前に行われる東京芝1800m戦4鞍、2000m戦および2400m戦1鞍で有利な内枠が好走すれば、1600m戦の結果如何に関わらずこういったノイズは勢いを増してSNSを賑わすだろう。
スタート直後に即コーナーを迎える事になる1800mや2000mはコース替わりで内枠はより有利になるが、東京1600mという舞台で内枠が有利になるケースは開幕週の1発目くらいで、それもフラットに毛が生えた程度だ。
ちなみに今週の場合はこのtweetの通り。
向正面
水色がBの内柵。土曜の雨の中、全ての芝レースでウンブライルのいるあたりまでほぼ全馬が踏み散らかします。
大多数がコース替わりで勘違いしているようですが、既に先週まで使われているココを最初に540m走る『1600m』の1枠2枠が有利になることは100%ありません。… pic.twitter.com/0nX24lG8eT
— ぽぽん (@popon10d) May 12, 2023
過去の傾向などどうでもいい話で、物理的に確定していることのみを馬場考察には記してある。
例えば秋天でシンボリクリスエスやテイエムオペラオーのような馬が毎年⑱番枠からスタートしたら、データ的には東京2000mは外枠有利となってしまうだろう。
なぜこういう結果になるのか?という疑問を持たず、数字だけを頼ったノイズに踊らされないようにしよう。
前置きが長くなったがそろそろ本題に入る。
10週の中でコース替わりは3回。今一度ここをしっかり把握しておこう。
東京競馬使用コース
Aコース(内柵を最内に設置)
2回東京前6日(4/22~5/7)
ここで行われる重賞競走はフローラS(GⅡ)、青葉賞(GⅡ)、NHKマイルカップ(GI)
Bコース(Aコースから3m外に内枠を設置)
2回東京7~10日(5/13~5/21)
同京王杯スプリングカップ(GⅡ)、ヴィクトリアマイル(GI)、オークス(GI)
『オークスは内枠が激不利枠』となることは絶対に覚えておこう。並の馬では話にならない事は以下👇に記してある。
Ⅽコース(Aコースから6m外に内枠を設置)
2回東京11~12日、3回東京前4日(5/27~6/13)
同日本ダービー(GI)、目黒記念(GⅡ)、安田記念(GI)、エプソムカップ(GⅢ)
Ⅾコース(Aコースから9m外に内枠を設置)
3回東京後4日(6/17~6/25)
ここは3歳ダートのユニコーンS(GⅢ)と東京ジャンプS(J・GⅢ)のみで平地芝重賞競走は無い。
馬場の変遷
第2回東京4週目はBコース(Aコースから3m外に内柵を設置)を使用する。
3コーナー
Aコース
Bコース
4コーナー
Aコース
Bコース
直線
Aコース
Bコース
ダート
- 第1回東京競馬終了後、路盤点検および砂厚調整を行いました。
- クッション砂の砂厚は9.0センチメートル(従来通り)で調整しています。
- 乾燥が著しい場合は、競走馬の安全のため散水を行う場合があります。
芝
- 野芝に洋芝(イタリアンライグラス)をオーバーシードした状態で施行します。
- 第1回東京競馬終了後に、クッション性確保のためエアレーション作業を実施しました。
- 芝の生育管理のため、中間日に散水を実施します。
A①第1回東京競馬終了後、開催で傷んだ箇所の蹄跡補修・洋芝追加播種・約2週間のシート養生を行いました。芝の生育は順調で、全体的に概ね良好な状態です。
②3コーナーから4コーナーの内柵沿いに傷みが出始めました。
③3コーナーから4コーナーの内柵沿いに傷みがあります。
④今週からBコースを使用します。柵の移動により傷んだ箇所はカバーされ、全体的に概ね良好な状態です。
JRAの発表は以上。
金曜日時点ではクッション値9.2。基準がこの硬さのコース替わりという要因もあって、良馬場の年のヴィクトリアマイルは1分30秒台等、かなり暴力的なタイムが出るのだが雨模様の今年はやや微妙。
東京競馬場:コース図
コース立体図(左回り)
コース平面図(左回り)
コース断面図(芝・左回り)
コース断面図(ダート・左回り)
日本ダービーやジャパンカップをはじめ、数々のビッグレースが行われる東京競馬場は、日本競馬の「顔」と呼ぶにふさわしいスケールの大きな競馬場だ。コースは左回りで、芝の1周距離は2083.1メートル(芝コースの距離についてはAコースの数値を用いる)、直線の長さは525.9メートル。幅員も最大41メートルと非常に広い。
起伏の構成もチャンピオンの座を争うコースにふさわしいハードなもの。ゴールを起点に追っていくと、1コーナーから向正面半ばにかけて高低差1.9メートルの長い下り坂が続き、その直後、3コーナーの手前には、高低差1.5メートルの上り坂が待ち受ける。 最初の坂を上りきった後は短い平坦部分を挟んで下り勾配が続き、4コーナーの手前からは再び若干の上り勾配に。そして直線、残り460メートル地点から300メートル地点にかけては2つめの上り坂が設けられている。中山や阪神に比べると勾配自体はなだらかでも、高低差は2メートルに及ぶこの坂を上り切った後も、300メートル(函館・芝コースの直線の長さとほぼ同じ)走ってようやくゴールにたどり着く。コースを1周する間に“2つの坂”を上り下りするレイアウトは福島も同じだが、スケールは段違いなのだ。
新潟などのローカル場と違い、カーブの半径がゆったりしているため、コーナーでゴチャつく可能性も低い。さらに広々とした幅員をいかし、4つ(A、B、C、D)のコースを使い分けることによって、馬場の傷みの分散化が図られている。様々な面から“紛れ”の介在する余地が小さいわけで、馬の能力がストレートに反映されやすいコースと言える。
一方のダートコースは1周距離が1899メートル、直線の長さが501.6メートルと、正真正銘、日本一のスケールを誇る。バックストレッチとホームストレッチに2つの坂が設けられている起伏構成は芝コースと同じだが、直線の上り坂の高低差は2.4メートルと芝コースを上回る。こちらも非常にタフでハードなコースなのである。
それだけに新潟の外回りコースと同様、直線の末脚比べとなるレースが多い。差し、追い込み馬の活躍が他場以上に目立つこと、まくりはあまり決まらないことも新潟・外回りとの共通項。早くに動いて押し切るのは至難の業ということだろう。
ダートコースはフェブラリーS(GⅠ)の舞台となる1600メートルのみが芝スタート。また、障害レースは固定障害の専用コースを使用して争われるが、年に2回の障害重賞(東京ジャンプS、東京ハイジャンプ)では通常時より難易度の高い“重賞仕様”の障害(大いけ垣、大竹柵)が設置される。
文:石田敏徳(2019年9月時点)
今週の有利枠・不利枠
芝1400m 大荒れ要素多分に含む
脚質も枠もほぼ不問。即ち何でもアリ。
芝1600m 内枠不利
なぜか外枠が嫌われる競馬界なので個人的に大好物でドル箱。開催が進むと内枠が死ぬので結婚できるレベルに好き。
一応先週(A3週目)の武史とノリによるスタート直後の内ラチ避けっぷりを。
芝1800m 外枠不利
スタートから向こう正面の合流まで約150mしかなく、外枠を引く時点でツキがない。
芝2000m 圧倒的に外枠不利
超絶欠陥コースで多頭数の外枠引いたら人気でも軽く飛ぶ。
芝2300~2400m 多頭数は外枠不利。
10頭前後なら気にするまでもない。
芝2500m 2400mよりは平等
今週はナシ。
ダート1600m 断然外枠
芝スタートのダートは競馬場を問わず恒常的に断然外枠有利。これは抗いようがない事実。
結論
- 毎週末雨ばっかだね。
- コース替わりの超高速馬場が「基本」+「雨」の影響考慮。
- 1800と2000は流石に内枠にアドバンテージ。
- 1600は真逆。
- ⑯ソダシはやはり枠運の化身。
- ②スターズオンアースは悪枠だが、隣③が前に行くサウンドビバーチェなのは不幸中の幸い。④隼人の胸三寸だが、スタート後ボチボチ広い進路が確保出来て案外すんなり外に出せるかも。
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