中山競馬場の馬場状態
春の中山競馬3週目。
中山は開幕からこれで3週連続で雨に祟られた。
今週の中山は特に酷く、火・水とまとまった雨が降るに留まらず、さらに追い打ちをかけるような降雪のあった金曜日発表のクッション値は激低の『6.2』
雨上がりだった先週の弥生賞(良)は近年では最も速い1:59.8で決着(10年遡っても59秒台は16年マカヒキ1:59.9のみ)しており、これだけ雨が降ると馬場の悪化は早いはずなので違和感を覚えた。
そこで他のレースを見てみたが、目立った時計は全く出ていない。
あの弥生賞は単純に1~2着馬のレベルが高いという事で個人的には落ち着いた。(3着馬は距離長く、展開利に加えトロヴァトーレのかかり、ダノンの故障などの恩恵)
一方で3~4角は既に広範囲に渡って路盤の見える状態となっており、だからこそあのマクリが刺さったという見方も出来るのが競馬の面白い所だ。
さて、今週は芝ダート共に少なからず水を含んだ馬場で始まる事になりそうだが、幸い天気は土日共に晴れ。
どれだけ回復して来るかはお日様の頑張り次第となる。
中山競馬使用コース
Aコース(内柵を最内に設置)
第2回中山全8日(2/24~3/17)
第3回中山前2日(3/23~3/24)
平地重賞競走
2/25㈰中山記念(GⅡ)
3/2㈯夕刊フジ賞オーシャンS(GⅢ)
3/3㈰報知杯弥生賞ディープインパクト(GⅡ)
3/9㈯ローレル競馬場賞中山牝馬S(GⅢ)
3/16㈯フラワーカップ(GⅢ)
3/17㈰フジテレビ賞スプリングS(GⅡ)
3/23㈯日経賞(GⅡ)
3/24㈰マーチS(GⅢ)※ダート1800m
Bコース(Aコースから3メートル外側に内柵を設置)
第3回中山後6日(3/30~4/14)
平地重賞競走
3/30㈯ダービー卿チャレンジT(GⅢ)
4/6㈯ニュージーランドT(GⅡ)
4/14㈰皐月賞
馬場の変遷
第2回中山全8日、第3回中山前2日はAコース(最内に内柵を設置)を使用。
(最上段が開幕週で最下段が当週)
3コーナー
Aコース
4コーナー
Aコース
直線
Aコース
ダート
- 第1回中山競馬終了後、砂厚調整を行いました。
- クッション砂の砂厚は9.0センチメートル(従来通り)で調整しています。
- 乾燥が著しい場合は、競走馬の安全のため散水を行う場合があります。
- クッション砂の凍結防止のため、コース全面に凍結防止剤を散布する場合があります。
芝
- 野芝に洋芝(イタリアンライグラス)をオーバーシードした状態で施行します。
- 凍結防止および芝保護のため、日陰部等のシート養生を行う場合があります。
- 芝の生育管理のため、中間日に散水を実施します。
A①第1回中山競馬終了後、損傷箇所へ洋芝を追加播種し、凹凸整正および肥料散布、約2週間のシート養生を実施しました。洋芝の生育に不揃いな箇所が部分的に見られますが、全体的には概ね良好な状態です。
A②3コーナーから4コーナーの内側に傷みが出始めましたが、その他の箇所は概ね良好な状態です。
A③3コーナーから4コーナーの内側に傷みがあります。
※JRAの発表内容→①が開幕週②は2週目の発表。
中山競馬場:コース図
コース立体図(右回り)
コース平面図(右回り)
断面図(右・内回り)
断面図(右・外回り)
断面図(ダート・右回り)
中山競馬場の芝コースには「内回り」と「外回り」の設定がある。2つのコースは2コーナーで分岐し、3コーナーで再び合流。もともとは3コーナーから向正面奥にかけて新設された芝1200メートル用の走路を、その後、さらに延伸して2コーナーにつなげ、現在のレイアウトになった。ちなみに、有馬記念が行われる芝2500メートル戦は内回りが舞台だが、スタート後、まっすぐにコーナーへ進入できるよう、発走地点は外回りコース上に設けられている。
外回りコースに比べ、2コーナーと3コーナーのカーブがかなりタイトな内回りコースは、見た目通りの「小回り」コース。実際、内回りコースの1周距離(1667.1メートル。芝コースの距離についてはAコースの数値を用いる)は札幌競馬場(1640.9メートル)と大差なく、310メートルという直線の長さも、いわゆる4大場(東京、中山、京都、阪神)の中ではもっとも短い。1周距離が1839.7メートルという外回りコースはともかく、内回りコースのサイズは「少し大きめのローカル場」と表現するのが当たっている。
とはいえ、コース全体の高低差は内回り、外回りとも5.3メートル。JRA全10場の中でも最大(次位は京都競馬場・外回りの4.3メートル)で、2階建ての建物に相当するこの高低差が、中山のレースに独特のアクセントを加えている。
全体の起伏を見ていくと、ゴール地点から1コーナーにかけて上り勾配が続き、2コーナーの手前で最高到達点を迎える。内回り、外回りとも、そこからは下り勾配に転じ、間に平坦部分を挟みながらホームストレッチ半ばの最深部まで延々と長い下り坂が続く。そして、ゴール前に待ち受けるのが中山名物の急坂。残り180メートルから残り70メートル地点にかけて設けられている上り坂の高低差は2.2メートル、最大勾配の2.24%も10場最大で、馬たちにとっては文字通り、“最後の難関”と言える。
一方のダートコースも、起伏構成は芝コースとほぼ同じ。1周距離が1493メートル、直線の長さが308メートルと、全体のサイズは「ローカル場を少し大きくした程度」に過ぎないが、全体の高低差は4.5メートルにも及び、ゴール前には芝コースと同様の高低差がある急坂が設けられている。
さて、2コーナーから下り勾配が続き、直線も短い中山のレースは、総じて瞬発力勝負にはなりにくい。直線の長いコースでは残り600メートル地点くらいからペースが上がるのが一般的だが、中山ではペースアップのタイミングが早く、瞬発力より持久力勝負を得意とする馬がしばしば台頭。また、軽快に飛ばしてきた馬が直線の急坂で失速し、形勢が一変することも多く、スリリングな攻防からは最後まで目が離せない。
コースは右回りで、ダートのレースは1200メートルのみが芝スタート。起伏に富んだ地形は障害コースにも上手く生かされており、深い“谷”を上り下りする坂路障害も中山の名物だ。春の中山グランドジャンプ、暮れの中山大障害と、1年に2回しか使用されない襷コース(通称・大障害コース)には、大竹柵、大いけ垣という、こちらも名うての難関が設置されている。
文:石田敏徳(2019年9月時点)
今週の有利枠・不利枠
芝1200m(外回り) 内枠有利
さすがに16頭立てになると外枠は厳しくなる。力が合っても不安は拭えない。
この形で外枠にメリットはないのだが、どういうわけか内外の馬の成績に大きな開きは無い。ペース次第でどうにでも転ぶため脚質もそれほど問わない難解なコース。
正直言って好きな条件ではないので基本的にパスすべきところ。
芝1600m(外回り) 内枠有利
外枠は引きたくない形態。にも関わらず開幕週に外枠決着すら当然に起こる超魔窟。
そしてペースで何もかも変わるので脚質もクソもなくなることもしばしば。
芝1800m(内回り) 内枠有利。多頭数の外枠はかなりキツイ。
3/9㈯中山牝馬Sの舞台。
スタートから最初のコーナーまで205mしかなく、外枠を引く時点でツキがない。
それが開催序盤ならなおさら。
芝2000m(内回り) 内枠不利開始。
中山で唯一常識的なコース。
直線に痛みが出始めたら内枠は多少の割引を開始。
外枠は開幕週でも問題無いが、最初にモタついて初角の入りをトチるとダメ。
- 開催序盤は外枠少しだけ割引。
- 開催後半になると内枠は荒れ地。
芝2200m(外回り) そこそこフラット
2000m同様、初角まで長いので枠順はそれほど気にしなくて良い。
ただし、昨年のセントライト記念の武史のように最初にモタついて初角の入りをトチる駄騎乗はダメ。
芝2500m(内回り) 内枠有利
有馬記念(GI)を始めとする中山の高格レースの舞台。
多頭数の外枠には容赦ない厳しさを誇る。
芝3600m(内回り) どこでもよい
内枠有利な形状ではあるが、所詮ドスローで隊列も決まりやすいステイヤーズS(GⅡ)限定コース。12月までお預け。
ダート1200m 断然外枠
芝スタートのダートは競馬場を問わず恒常的に断然外枠有利。これは抗いようがない事実。
ダート1800m 基本的には先行力とコーナーワークの巧さが重要。枠順の有利不利は比較的小さい。
1角まで375mあるので案外枠による影響は少ない。とにかく荒れる。
逃げ先行が有利なのは言うまでもないが彼らは余裕で最後止まるし、平然とマクリも決まる。
ダート2400m・2500m 基本はパス
どこの競馬場でも怪しい距離のダートはあるが中山の場合このふたつ。
あまり触らない方が賢明。
結論
- またも渋馬場での開始濃厚。
- ただし土日共に晴予報。
- 今開催は傷みの進行が早くなることは頭の片隅に入れておこう。
- 3~4角はインの傷みが目立つ。
- 直線はまだ耐えているのでインの前残りも普通にある。
- 但し、限界はすぐそこまで来ている。
- 芝1200mと芝1600mは常に魔窟。
- 芝1800mの内枠先行馬は有利。
- 芝2000mおよび2200mはこの辺で内枠不利開始を想定。
- 今週を含めてまだ3週間はAコースでの施行。
- ダート1200mは恒常的に圧倒的外枠有利。
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