各競馬場の馬場状態
中山
26㈰は有馬記念(G1)、そして28㈫にはホープフルS(G1)が行われる中山。
先週は稍重1600mで行われたターコイズS(G3)で1:32.8の好タイムでミスニューヨークが優勝したが、週中の雨で湿り気のあった馬場は断じて高速馬場ではない。あのタイムは1000m通過が56.8という極悪ペースが生み出した幻影だ。
元々重賞級の能力を持つミスニューヨークは春の新潟で重賞勝ちを取りこぼしていると再三お伝えしてきたが、脚に水掻きが付いている彼女にとってはハイペースも相まって、今回は完璧な条件が揃っていた。
ド派手な追い込みが決まる場合は以下のいずれかの要因がある。
- 展開によるもの
- 馬場によるもの
- 能力の違い
今一度冷静に先週の結果と各種映像から馬場状態を分析し、今週好走確率の高いコース取りが出来る馬を導き出していこう。
まずは先週の中山芝コースで3着以内に入った馬の4角でのポジション。
土曜(12/18)
- 5R新馬戦2000m ①②⑧
- 7R2歳未勝利2000m ⑤⑧③
- 9R2歳1勝1600m ③②①
- 11R3歳上GⅢ1600m ⑭⑥⑥
- 12R3歳上2勝1800m ③⑧②
日曜(12/19)
- 3R2歳未勝利1800m ①③⑦
- 5R新馬戦1600m ②④⑥
- 7R2歳未勝利1600m ④⑨②
- 11R3歳上OP1800m ①⑥②
- 12R3歳上2勝2500m ⑦③④
逃げ馬は2日間で3勝しているが、未勝利戦2鞍はスローペースの恩恵を受けたもの、ディセンバーSのローザノワールは上手く単騎逃げに持ち込んだものだ。
4角でそれなりの位置まで押し上げていないとキツイのは通常通りだが、馬場も傷んできており、ただ前に行くだけでは難しくなってきている。
ここでJRAホームページの写真を見てみよう。
上が2週前、中が先週、下が今週の写真。
3コーナー
4コーナー
直線
JRAの発表によると3~4コーナーの内側に痛みが出始めたがその他の箇所は概ね良好との事で、これは先週の発表と全く同じだが、この3~4コーナーの痛みの度合いは今週(25~26)の方が遥かに大きい。
また、芝も枯れ始め、全体的に段々色が薄くなってきている。雨降って地固まるという文字通りの状態で、24㈮時点でのクッション値は9.9(先週は土日とも9.0)、含水率はゴール前9.0-4角10.3%(先週土14.5-13.9、日11.7-12.9)と、先週よりかなり硬い馬場となり、瞬発力に秀でる馬に向きそうだ。
週末の雨量次第ではあるが、有馬記念の頃には瞬発力天国の状態になっていると想定する。
そして有馬は3コーナー手前がスタート地点となり、同条件の先週㈰最終レースを見る限りでは①~④番はスタート直後に最も荒れ気味の所を最初に通過する義務が生じている。外枠はコーナリングがキツイので元々不利だ。
⑦クロノジェネシス、および⑩エフフォーリアの2強にとっては正に絶好枠を引いたと言えるだろう。
引用:JRAホームページ(含水率と馬場状態)
直線で伸びる部分はそこまで外でなくても良いが、内から2~3頭分は些か伸びを欠く場面が見受けられる。
先週は全体的に内枠の好走が目立った。1200mと1600mはそのままの傾向を踏まえて良いが、スタンド前スタートの1800mと2000mおよび3コーナー手前スタートの2500mの①~④番くらいまでは、ほんの僅かなビハインドを背負うだろう。
阪神
ようやく今週でお勤めを終える阪神はBコース4週目。開催は10/9㈯から12週目。つまりは12/25日㈯が連続開催23日目となる。
お疲れさまと声を掛けたいところだが、まだ仕事は終わっていない。好走要件が顕著に現れた以上は最後までしっかり働いてもらおう。
では先週の3着以内馬の4角の位置取りを見る。
土曜(12/18)
- 2R2歳未勝利1800m(外) ⑧③⑫
- 5R新馬戦1400m(内) ⑩①③
- 7R2歳未勝利2000m(内) ②④④
- 10R3歳上2勝1600m(外) ③②⑨ ※9頭立て
- 11R3歳上OP1200m(内) ⑪②③
日曜(12/19)
- 4R2歳未勝利1600m(外) ⑫④⑦
- 5R新馬戦2000m(内) ①⑥②
- 7R3歳1勝1800m(外) ⑤⑦②
- 10R3歳3勝1400m(内) ②⑧⑧
- 11R2歳GⅠ1600m(外) ⑦⑤⑨
先週の1番人気の成績は驚異の(4.4.1.1/10)と、脚質関係なく能力上位馬優勢の馬場。【馬場考察】12/18~19と朝日杯FS全頭診断を見て頂いた方は堅い阪神を中心にかなり稼げたのではなかろうか。(中山のおすすめが出遅れたのは申し訳ない)
さてその阪神だが、JRAの発表によると向正面直線および正面直線に痛みがあるとのこと。パトロールを見るとどいつもこいつも直線は外の方へ真一文字に向かっている。どれだけインが腐っているのか確認しておこう。
内回り3コーナー
外回り4コーナー
直線
たしかにインはエグれてベコベコだ。これでは一介の逃げ馬には厳しい。
だが、一気が決まるとはいえ4角2~3番手の馬がこれだけ馬券内に突入しているのはどういう事だろう?
彼らの道中の位置取りと直線の進路取りに注視したところ、各レーススタートから最初のコーナーに差し掛かるまで、中枠より外の馬は一切内側に入ろうとしない。
最終コーナーまで付かず離れずでインを少し開けながら追走し、4角で逃げ馬を捕えてからは思いっきり外に振るのが好走パターンのようだ。
著しく能力に秀でた馬は、先行馬ならすんなり直線の良いところを目指し、瞬発力タイプなら外から届く。これでは能力の無い馬に出番は無い。
※パトロールを全部見る余裕が無ければ土曜日の10R甲東特別だけでも見ておくと良いかも知れない。逃げ馬ですらひたすら内を2~3頭分空けて走っており、直線の入り際でどれだけインに入りたくないか一目で解る。(この傾向に真っ向歯向かって土曜5Rで2着したモズルルは次走確勝級なのでメモっておくこと)
このように先週は脚質を問わず絶対能力優先の馬場だったが、最終週はどう出るか。馬場の硬さはほぼ変化ないが、あれだけ先週皆がこぞって内を避けるとなると敢えてそこを狙う騎手も一人や二人は現れ、穴を開けることもあろう。
それでも手堅く行くなら中枠の能力上位馬を信頼するのが王道だと考える。
どの距離でも1枠は程良くビハインドを抱えるが、特に最初のコーナーまでが長い1400mと1800mの最内枠はかなり痛く、逆に外枠はグリーンベルトを通る事になる。
阪神カップ(G2)の枠順を再確認し、皆様には有馬記念の資金を爆増させてほしい。
また、コース替わり週の12/4~5の阪神で好走した逃げ・番手馬は疑ってかかるのも一手。中京でコーナリングに難があったものの良い脚を見せて圏外だった馬などには条件が好転するので一発狙いも面白い。
以上。今週もご精読有難う。
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