京都競馬場の馬場状態
今週で2023年度の京都開催は終了。
最終週はⅭコースの2週目となる(計8週目)
土曜日に京都2歳S、日曜日に京阪杯と2つの注目重賞が組まれている事もあって、世界最強馬決定戦の裏側とはいえハイレベルな攻防が見られそうな京都最終週。
無難に行きたい人は芝1600と1800の外枠。
勝気な人は両重賞に全ツして楽しんで頂きたい。
Aコース(内柵を最内に設置)
第2回京都1~9日(10/7~10/29)
平地重賞競走
10/9㈪京都大賞典(GⅡ)
10/15㈰秋華賞(GI)
10/22㈰菊花賞(GI)
10/28㈯MBS賞スワンS(GⅡ)
Bコース(Aコースから直線部4メートル、曲線部3メートル外側に内柵を設置)
第3回京都1~4日(11/4~11/12)
平地重賞競走
11/4㈯KBS京都賞ファンタジーS(GⅢ)
11/5㈰みやこS(GⅢ)
11/11㈯デイリー杯2歳S(GⅡ)
11/12㈰エリザベス女王杯(GI)
Cコース(Aコースから直線部7メートル、曲線部6メートル外側に内柵を設置)
第3回京都5~8日(11/18~11/26)
平地重賞競走
11/19㈰マイルチャンピオンシップ(GI)
11/25㈯ラジオNIKKEI杯京都2歳S(GⅢ)
11/26㈰京阪杯(GⅢ)
馬場の変遷
第3回京都競馬7.8日目はⅭコース(Aコースから直線部7メートル、曲線部6メートル外側に内柵を設置)を使用する。
(最上段が開幕週で最下段が当週)
内回り3コーナー
Aコース
Bコース
Ⅽコース
外回り4コーナー
Aコース
Bコース
Ⅽコース
直線
Aコース
Bコース
Ⅽコース
ダート
- 第1回京都競馬終了後、コース全面のクッション砂洗浄と路盤点検および一部の路盤補修を行いました。
- クッション砂の砂厚は9.0センチメートル(従来通り)で調整しています。
- 乾燥が著しい場合は、競走馬の安全のため散水を行う場合があります。
芝
- 野芝に洋芝(イタリアンライグラス)をオーバーシードした状態で施行します。
- 第1回京都競馬終了後、クッション性確保のためエアレーション作業およびシャタリング作業を実施しました。
- 芝の生育管理のため、中間日に散水を実施します。
A①第1回京都競馬終了後、開催で傷んだ箇所の蹄跡補修を行いました。その後肥料散布・薬剤散布・芝刈り等の管理作業を行い、芝の生育促進に努め、9月中旬にオーバーシードを実施しました。野芝・洋芝共に生育は順調で、非常に良好な状態です。
A②先週の競馬による傷みは少なく、引き続き良好な状態です。
A③向正面中間地点から3コーナー、4コーナーの内側に部分的な傷みがあります。その他の箇所は概ね良好な状態です。
A④向正面中間地点から3コーナー、4コーナー、正面直線の内側に傷みがあります。
B⑤今週からBコースを使用します。柵の移動に伴い、傷みがあった箇所はカバーされ良好な状態です。
B⑥正面直線内側に部分的な傷みがあります。その他の箇所は概ね良好な状態です。
Ⅽ⑦今週からCコースを使用します。柵の移動に伴い、傷みがあった箇所は概ねカバーされましたが、内回り3コーナー内側および正面直線にカバーしきれない傷みがあります。
Ⅽ⑧内回り3コーナー内側および正面直線に傷みがあります。その他の箇所は概ね良好な状態です。
※JRAの発表内容→①が開幕週②は2週目の発表。
京都競馬場:コース図
コース立体図(右回り)
コース平面図(右回り)
断面図(右・内回り)
断面図(右・外回り)
断面図(ダート・右回り)
引用:JRA
京都競馬場の芝コースは、阪神や中山と同様、内回りと外回りから成る。この2つのコースは3コーナーで分岐し、4コーナーで合流するレイアウト。一方で2コーナーの奥にはバックストレッチに連なる長い引き込み線が設けられており、外回りの芝1600メートルと芝1800メートル、内回りの芝1600メートルは、向正面左手の奥深い地点からスタートを切ることになる。
そんな京都競馬場の“名物”といえるのが3コーナーの坂だ。外回りコースの場合、コースの高低差は4.3メートル(内回りコースは3.1メートル)にも及び、向正面の半ばから3コーナーにかけて上り、4コーナーにかけて一気に下るレイアウト。勾配がつけられているのは3コーナー付近だけ、それ以外はほぼ平坦という起伏の構成も非常にユニークで、要は「3コーナーに小高い丘が設けられている競馬場」とイメージすれば分かりやすいだろう。
かつては「ゆっくり上り、ゆっくり下るのが鉄則」とされたこの坂だが、近年は坂の下りで惰性をつけて平坦な直線に向く戦法がすっかり浸透。坂の頂上付近にあたる残り800メートル地点からペースが上がるレースが多い。ただし3000メートル級の長距離戦では、自然に勢いがついてしまう1周目の坂の下り→スタンドからの大歓声を浴びるホームストレッチと続く場面で、折り合いを乱さずスタミナを温存できるかが重要なポイントとなる。
さて、1周距離(外回り1894.3メートル、内回り1782.8メートル。芝コースの距離についてはAコースの数値を用いる)、直線の長さ(外回り403.7メートル、内回り328.4メートル)とも、外回りよりコンパクトな造りの内回りでは、やはり逃げ、先行タイプが優勢。3、4コーナーのカーブもタイトなため、小回りを苦にせず器用に立ち回れるタイプが有利となる。
さらに「芝コースの幅員が広い(最大38メートル)」ことも見逃せない特徴のひとつ。4つのコース(A、B、C、D)を設定できるのは東京と京都だけ(他場はA、B、もしくはA、B、C)。内回りと外回りで負担が分散化される背景もあり、馬場の傷みは進行しにくい。
一方のダートコースは1周距離が1607.6メートルと、東京競馬場に次ぐ大きさを誇る。とはいえ、直線の長さは329.1メートル。阪神(352.7メートル)や新潟(353.9メートル)より短いことは覚えておきたい。3コーナーの“丘”はダートコースにも設けられており、4コーナーにかけて坂を下り、平坦な直線に向くレイアウト。ユニークな起伏構成のため、ダートのレースでは他場より上がりの時計が速い決着が目立つことも覚えておきたい。
コースは右回りで、ダートは1400メートル戦が芝スタート。また、障害コースは3コーナーで2つのコースに分岐、このうち、京都ハイジャンプ、京都ジャンプSで使用される大障害コースには、高低差0.8メートル、長さ15.9メートルの“台”を上り下りするバンケット障害が馬たちを待ち受ける。
文:石田敏徳(2023年4月時点)
今週の有利枠・不利枠
芝1200m(内回り) 内枠逃げ先行有利
スタート後100m過ぎから上り坂で300m走ったら即下り。直線も323(B.C.D)~328(A)mと短く、基本的に前が止まらない。
さすがにこの条件で外枠は引きたくない。
芝1400m(内・外) 無難に中枠
外回りのコーナーは内回りに比べてややタイトで、ここで外を回らされるとやや厳しくなる。
但し、開催が進んで内ラチ沿いが死んで来ると極端な内枠を引くのも具合が悪くなるため、程よい中枠に優位性が生じて来るだろう。
芝1600m(内・外) 内枠は減点。
言うまでもなく京都の1600mと阪神の1600mは全く別物だが、実はこれを理解している人間はほぼいない。
コース図を見れば一目瞭然だが、初角までがとにかく長い。そして向正面と最後の直線はどんな条件下でも全馬に走られる部分なので必然的に内側は痛むので、1600~1800mは日毎どころかレースが行われる毎にどんどん外枠が有利になる。
どのような脚質な馬でも初角まで700mもあれば一定の能力も前提となるが、取りたい位置は取れる。それまでに良い所を通れるのはどの番号を背負った馬かを考えればさほど難しくはないはずだ。
なお、外回りの方が約75m最後の直線が長い。
芝1800m(外回り) 内枠は減点。
最初のコーナーまで約900m。新潟1000mとほぼ変わらないと思えば答えは既に出ているだろう。外枠の優位度は尋常ではないレベル。
芝2000m(内回り) 内枠有利。器用さを問われる
初角まで約300m程で4回のコーナーがあるここは阪神と同じくコーナーワークの巧さが重要なコース。単純な力量比較に加え、一工夫が必要。
⑥リバティアイランドは牝馬三冠への忖度すら感じさせる絶好枠だった。
全てを「内前」と一緒くたにする予想屋さんをよく目にすることになるだろうが、京都芝で根本的に「内前有利」な条件はそれほど多くないので注意して頂きたい。
※一応レイアウト的に2000は外回りも存在するのだが施行するのかは現状不明。
2200m(外回り) 最内と大外は試練。真ん中に寄れば寄るほど良い。
メンバーと展開に大きく左右される。難易度MAXコース。
※エリザベス女王杯の上位3頭が①②③の順だったが、先週の2200で内枠やインが有利な面は一切無かったので注意が必要。単純に力が上なことに加え、ジェラルディーナの出遅れも好転した。
おそらく京都に於いて予想が最も難しいコース。スタンド前スタートで初角まで400mほどなので開催が進めば内枠は徐々に不利になっていくが、そもそも外枠を引くこと自体もプラスではない。基本は手頃な中枠が無難。
さらにコーナー4回で器用さも求められるかと思えば外回りで下り坂を利用した追い込みも決まらないことは無い。完全にカオス。
芝2400m(外回り) 外枠有利
4角手前のポケット地点スタートで初角の入りまで約600mと長い。さらに2400mというチャンピオンディスタンスということもあり、この条件は脚質問わず比較的力通りに決まりやすい。但し長距離戦特有の謎ペースによる波乱も必ず考慮しよう。
芝3000m(外回り)
菊花賞(GI)の施行コース。
スタート後200m程で初角を迎えるため多頭数の外枠は確実に不利。
スタートでまず坂を上り、すかさず初角から下り坂となるためぶっ飛ばして行くタイプの逃げ馬は確実に止まる。しかし、元々テンが速くゆったりとしたペースで進める内枠の逃げ馬なら問題は無い。
向く脚質はペース次第で変わって来るが、折り合いが付かない馬は厳しい。
あまりに内枠だとインも荒れているので必然的に④~⑩番くらいの馬に優位性が出るだろう。
※菊花賞は2番人気⑦2着。人気薄の⑥⑧が4.5着。
勝ち馬⑰と3着馬⑭は素直に強さを評価して良い。
芝3200m(外回り)
春天の時にでも
ダート1200m フラット
初角まで約400m。スタート後200mほどで緩やかに坂を上る。
下手に乗ると外枠は回されて死ぬので騎手は重要かも。
ダート1400m 断然外枠
芝スタートのダートは競馬場を問わず恒常的に断然外枠有利。これは抗いようがない事実。
ダート1800m 内枠先行馬有利
データではそうなっていないが、入る馬の質でそうなっているだけ。
初角まで280m程度で割とタイトなカーブが来るため外枠が有利になる事は100%ない。
ダート1900m 1800mよりは大分フラット
1800mよりスタート地点が100m後ろなので。
まとめ
- Ⅽコース2週目で最終週。
- 土日共に良馬場。
- 京都2歳S、京阪杯共に中枠優勢。外枠は減点。
- 芝1600~1800は圧倒的に外枠有利となる。
- 直線の内ラチ沿いの荒れはかなり目立つ。
- 器用さ問われる2000の先行馬が狙い目ではあるが、京都2歳は抑えの利く馬。
- ダートは1400mの外枠。
- いつもの↓
コメント