「ドゥラメンテ死す」
ネットサーフィンをしていたら目を疑うような情報が流れて来た。
超良血2冠馬の9歳という若さでの早すぎる死は関係者のみならず、我々ファンにも大きな衝撃を与えている。
初年度から皐月賞(G1)2着馬タイトルホルダーを輩出し、これからという時だったのに本当に悔まれる。
追悼の意を込め、ドゥラメンテが本気で凄い馬だったことを書き記しておきたい。
ドゥラメンテ
血統
父 キングカメハメハ
母 アドマイヤグルーヴ
母父 サンデーサイレンス
母母 エアグルーヴ
幾らするんだよ?と即座に思ってしまうような超良血馬だが、サンデーレーシングの当時の募集価格は1億円(250万✕40口)と後付けで申し訳ないが、お手頃価格だったことは否めない。
後にドゥラメンテと名付けられた男の子は現役時に5億1,660万円の賞金を稼ぎ、2021年度は種付け料が1000万の大台に乗っても満口になる程の大きな期待を寄せられる種牡馬となる。
非ディープであることのみならず、トニービンとキングカメハメハという日本馬が世界最強クラスとなるための礎を作った血を内包しているため、国内外問わず数多くの繁殖牝馬とのニックスが見込めることも人気の一因であろう。
競争成績
国内8戦5勝 2着3回
海外1戦0勝 2着1回
流石の連対パーフェクト。引退まで全くコケない安定感は馬名や気性の荒々しさとは真逆だったと言えるが、その走りは正に荒々しく、見る者全てを虜にする魅力に溢れていた。
3歳
暴れん坊将軍の様に勝った皐月賞(G1)、独走状態に持ち込んだダービー(G1)は本当に呆れる程の強さ。3冠も確実視されたが残念ながらケガに泣き、年内は全休。
ドゥラメンテ不在の菊花賞(G1)を春の2冠で退けたキタサンブラックとリアルスティールがワンツー決着。
休養中に勝手に評価が上がるが、古馬戦線に6戦6勝と年内無敵で国際GIを4勝した同厩の先輩モーリスがいたため年度代表馬の座は譲ることとなる。
4歳
年が明け、古馬になったドゥラメンテはおよそ10カ月ぶりの実戦となった中山記念(G2)を楽勝。
世界最強の称号を手にするため勇躍ドバイシーマクラシック(G1)に挑むが、残念ながらポストポンドの2着に敗れた。
ちなみにポストポンドは前年のKG6世&QES(G1)を皮切りに当レース、英コロネーションⅭ(G1)、英インターナショナルS(G1)のGI4勝を含む6連勝でその年の凱旋門賞(G1)へ2番人気(5着)で挑んだほどの馬だ。
最初で最後となる世界最強クラスへの挑戦は残念ながら2馬身差の完敗であったとはいえ、ドゥラメンテは帰国初戦の宝塚記念(G1)2着後に競争能力を喪失してしまうことから、足元には既に限界の兆候があったのかも知れないし、今となってはむしろそうであったと思いたい。
競馬にタラレバは厳禁だが、万全の状態ならばドゥラメンテは世界最強となっていたはずの逸材であり、そう言えるほど爆発的な素質の塊だった。
引退後
2017年から種牡馬入りし、良家のお嬢様と数多くの関係を持つ。
早世してしまったため産駒は2018年~2022年生まれの5世代に限られるが、初年度からGI好走馬を輩出しており、産駒の質は総じて高い。
父ドゥラメンテの名を世界に轟かせる怪物産駒の出現は遠くない未来に訪れる。
今はただ彼の冥福を祈り、彼の子どもたち、そして最も悲しんでいるであろうミルコを応援したい。
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