【第26回秋華賞(G1):回顧】金子ブランド3本の矢

重賞レース回顧

10/17㈰、今年は阪神競馬場で行われた第26回秋華賞(G1)アカイトリノムスメ(牝3、美浦・国枝栄厩舎)が2:01.2秒(良)で優勝。戸崎圭太騎手は秋華賞初制覇となった。

1/2差の2着にはC.ルメール騎乗のファインルージュが入線。彼は桜花賞ではサトノレイナス、オークスではアカイトリノムスメに騎乗していたため、牝馬3冠全て別の馬で2着という珍記録を作った。

 

 

 

 

第26回秋華賞(G1)

ソダシへの忖度

恒例の枠順発表では1番人気が予想される白毛のアイドル・ソダシに注目が集まったが、大方の予想通り絶好の2枠4番。他の有力馬は軒並み外枠に追いやられた。

5枠にはローズSの1,3着馬で共にキングカメハメハ×ディープインパクト配合の2頭。6枠にはオークスの1,2着馬。7枠にはフェアリーSの1、2着馬が入る。

ソダシに有利枠を与え、大外に同馬主のミスフィガロを配置という、本当に抽選してるのかどうかの疑問が浮かぶ程、あざとさ抜群の偶然。

 

 

 

レース展開

ホウオウイクセルがやはりの大出遅れ。注文通り松若エイシンヒテンが引っ張り、ソダシは2番手を進む。デキが向上していたアールドヴィーヴルもこの日は行き脚が付いて3番手。

アカイトリノムスメは先頭まで8馬身程の6番手。1000m通過は61.2秒のスロー。先行馬有利の流れと誰もが思ったが、松若エイシンヒテンはここでマジックを使った。

1000mから1600mまでを12.0-11.5-11.3と打って変わったペースに変更。エイシンヒテン自身はペースを作る身なのでまだしも、番手追走勢はそれと知らずについて行ってしまっているので体力の消費も甚大となる。吉田隼、松山、大野はここで終わっていた。

アカイトリノムスメ戸崎も罠に掛かりかけたが、番手よりもやや後ろの位置取りだったことが功を奏した。

名手の体内時計

ルメールはこのペースでも慌てていないし、それより前に位置していた福永も残り400mまで持ったまま。

念のため確認してみたが、人気薄の川田もこの松若マジックに釣られていない。

この3人の体内時計が如何に優れているかが再認識出来るので、お手空きの時にでもパトロールビデオを数回見直してみることをおすすめする。

直線

エイシンヒテンが粘る中、罠に掛かったソダシ含む番手追走勢は手応えが怪しい。残り1000mで急にリズムを狂わされたのだから当然だ。それを横目にアカイトリノムスメがエイシンヒテンを交わして先頭に立つ。

アンドヴァラナウトが内、ファインルージュが外から猛追。

ゴール

アカイトリノムスメは2頭の猛追を凌ぎ、母アパパネとの秋華賞親子制覇となる栄光のゴールへ飛び込んだ。この展開の中、馬の力を信じて先に抜け出した戸崎も見事。

2着ファインルージュのルメール、3着アンドヴァラナウトの福永は途轍もなく上手く乗ったが及ばなかった。

4着エイシンヒテン・松若のペース配分は神レベルであったが馬も強く、レースが上手い。

5~6着に人気薄の追い込み馬が入線していることからも、このレースが先行馬にとって如何に厳しかったが見て取れる。

ソダシは10着に敗れたが、歯を折り、松若マジックに釣られてもなお直線入り口まで見せ場を作ったことは評価したい。

引用:JRAホームページより

展開の妙

スプリンターズS(G1)はハイペースなのに追い込みが効かないという結果だったが、秋華賞では逆にスローペースなのに先行馬が残らないという結果。

見返せばその理由も至極当然なのだが、双方で馬券になっているルメールと福永はとんでもない次元にいると改めて思う。

今回は馬を信じた戸崎と、その信頼に応えたアカイトリノムスメが人馬一体となって彼らの技量を凌駕した会心の勝利と言えよう。

まとめ

勝ったアカイトリノムスメはこれで7戦4勝(4.1.0.2/7)となり、G1は初勝利。次走はエリザベス女王杯(G1)かJC(G1)となるだろう。

戦前はソダシが生まれ持つチート級の運が世代を支配すると考えていたが、そのチート運の源はオーナーである金子真人氏であることをまざまざと見せつける結果は見事と言う他ない。

彼ほどの人物に信念と情熱を込められた金子ブランド配合馬の未来は明るい。

白毛の系譜を受け継ぐソダシ、ブロードアピールの孫ミスフィガロと共に構成された3本の矢は、今後益々ブランド力を強化していくことだろう。

 

 

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